
読みもの
2020.12.24
飯田有抄のフォトエッセイ「暮らしのスキマに」 File.40
東京駅でとらえた“現代の幻想”と、ノルウェーのクリスマスキャロル


飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター
1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...
今年はどんなクリスマスをお過ごしでしょうか。
東京の街で、こんなに人の少ないクリスマス・シーズンは、あまり記憶にありません。
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自分へのクリスマス・プレゼントに、マニュアルフォーカスのレンズを買いました。
じっくりじわっと焦点を合わせていく時間は楽しいものです。
楽器を演奏するときに、美しい音を探っていくような時間にも似ています。
一方で、「お」と思った瞬間を捉えるにはあまり向きません。でも、はからずも柔らかなフォーカスになって、案外好きな写真になったりします。
東京駅、夜の深い時間。長い長い下りのエスカレーター。
ふと振り返ると、自分の後ろに誰もおりませんでした。
少し寂しいけれど、どこか現代の幻想を見るような気分にもなりました。
捉えた瞬間はやはりピンボケしていましたが、でも人の記憶って、わりとこんな淡い印象で、日々の中に溶けていくんですよね。
今日はこの写真に合わせて、ノルウェーの作曲家で歌手のトリグヴェ・ホフ(1938~1987)による「北ノルウェーのクリスマスキャロル」(N. モンテッセン編曲)の調べ、そして同じくノルウェーのジャズ・ピアニストで作曲家のヤン・グンナル・ホフ(1958~)による柔らかな声楽曲「赤いバラとともに」を選んでみました。
トリグヴェ・ホフ作曲「北ノルウェーのクリスマスキャロル」(N. モンテッセン編曲)
ヤン・グンナル・ホフ作曲「赤いバラとともに」
あの年のクリスマスは、静かだったね……
と振り返る日が来ますように。
みなさま心穏やかなクリスマスを。
メリー・クリスマス。
飯田有抄のフォトエッセイ「暮らしのスキマに」

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