ブラームスを知るための25のキーワード〜その17:合唱団指導者
2024.10.18
ブラームスを知るための25のキーワード〜その18:ドイツ民謡
毎週金曜更新! 25のキーワードからブラームスについて深く知る連載。
ONTOMO MOOK『ヨハネス・ブラームス 生涯、作品とその真髄』から、平野昭、樋口隆一両氏による「ブラームスミニ事典」をお届けします。どんなキーワードが出てくるのか、お楽しみに。
1946年生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程在学中にDAAD奨学生としてドイツ留学。シュトゥットガルト聖母マリア教会代理合唱長。『新バッハ全集』I/34の校訂によりテ...
ロマン主義者だったブラームスは、ドイツ民謡を愛し、1854~58年にはそのうちのいくつかにピアノ伴奏を付ける作業をしている。また1864年には、そのなかから四部合唱曲への編曲を行なっている。
ブラームスはこの民謡集を、晩年に校閲し、出版した。1894年、ベルリンのジムロックからである。各7曲を収録する7冊からなる全49曲の民謡集を、ブラームスは出版に先立ち、彼と同意見だった音楽学者で『バッハ伝』の著者フィリップ・シュピッタに送っている。しかし返事の代わりに彼が得たものはシュピッタの死亡通知で、彼は悲嘆にくれたのであった。
この有名な民謡集のほか、シューマン一家の子どもたちのために捧げられたピアノ伴奏付きの《子ども民謡集》全14曲を書いており、1850年に出版されている。とくに第4曲「眠りの精」は、今日のドイツでも愛唱されている。
ブラームス:《子ども民謡集》第4曲「眠りの精」