特集「クラ活」

クラシックコンサートやオペラでの服装マナー、ホール広報がリアルに語る!

読みもの
2020.01.25

クラシックコンサートやオペラに出かけてみたいけど、何を着ていったらいい? そんな悩みに答えるべく、ONTOMOはコンサートホールや劇場の広報担当の皆さんにアンケートを実施! 実はぜんぜん堅苦しくない、リアルなドレスコードを教えていただきました。着ていく服をばっちり決めて、さりげなくクロークも利用すれば、快適な音楽観賞・観劇が待っています。

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東京芸術劇場「0才から聴こう!!&4才から聴こう!! 春休みオーケストラコンサート」客席の様子。
©Hikaru.☆
ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

クラシックのコンサートって、何を着ていったらいいの?

普段、演奏会に出かける習慣がない友人をコンサートに誘うと、必ずと言っていいほど訊かれる質問です。あんまり気にすることもないよ……なんて濁しつつ、実際決まりがあるわけでもないし、はっきり答えられないのが実情。

そこで! ONTOMOでは、首都圏にあるホール・劇場にアンケートを実施。その場所を一番よく知る、広報担当の方々を対象に、服装・ドレスコードにまつわるあれこれを教えていただきました。

まず今回登場するホール(五十音順)をご紹介いたします。

サントリーホール

「世界一美しい響き」をめざして1986年に開館した、日本を代表するホールのひとつサントリーホール。主にオーケストラ公演で使用される2,006席の大ホールと、リサイタルや室内楽用の小ホール「ブルーローズ」を擁しています。

今回アンケートに答えてくださったのは、広報部副部長の伊藤雅美さん

新国立劇場

1997年開館の現代舞台芸術を発信する新国立劇場。1,802席のオペラ劇場、中劇場、小劇場と3つの劇場を備え、オペラ、バレエ、ダンス、演劇を上演しています。今回はオペラ公演について教えていただきました。

今回アンケートに答えてくださったのは制作部オペラ広報担当の高梨木綿子さん

東京芸術劇場

池袋で1990年に開館した総合芸術文化施設、東京芸術劇場。世界最大級のパイプオルガンが鎮座する1,999席の大ホール、演劇やダンスなどで使用される中ホール、約300席の小ホールを2つ、計4つのホールをもつ施設です。

今回アンケートに答えてくださったのは事業企画課 広報の安田裕美さん

ミューザ川崎シンフォニーホール

「音楽のまち・かわさき」の中心施設として2004年に開館した、川崎駅直結ミューザ川崎の内部にあるミューザ川崎シンフォニーホール。音楽ホールは360度にぐるりと1,997席が配されて、舞台がどの角度からも見られる作りになっています。

今回アンケートに答えていただいたのは広報営業課 係長の前田明子さん

以上、4つのホールのリアルな声をどうぞ!

目次

Q1. ホールに、ドレスコードはありますか?

この質問には、すべてのホールが「なし」と回答。公式にドレスコードなしと言ってもらえれば、ちょっと安心ですね。長時間座っているコンサートだから、体温調節など機能性には注意が必要かも?

・正装コンサートと銘打ったコンサートなど以外は、特別な決まりはございません。ただ、演奏者はタキシードやドレスを着用していることが多く、おしゃれをしてお越しになるお客様もいらっしゃいます。少しあらたまった服装で優雅な気分でコンサートを楽しんでいただいてはいかがでしょう、とご提案しています。(サントリーホール)

 

・ありません。(新国立劇場)

 

・ございません。(東京芸術劇場)

 

・特にありません。当ホールでもっとも人気のイベント「フェスタサマーミューザKAWASAKI」は真夏の開催ということもあり、涼しくカジュアルな服装をおすすめしています。また、外気温と客席内の差が大きいため、羽織ものなどで調整できると快適にお過ごしいただけます。(ミューザ川崎)

東京芸術劇場「0才から聴こう!!&4才から聴こう!! 春休みオーケストラコンサート」客席の様子。ファミリー向けのコンサートで、ラフな服装で楽しむ方も多い。ドレスアップをしているお子さまも。©Hikaru.☆
ミューザ川崎の「サマーミューザ」では夏らしい軽装の方が多い。最前列には東京交響楽団のTシャツを着た方々も。指揮者のノットさんの背中にはこの日のためのオリジナルメッセージが。写真提供:ミューザ川崎シンフォニーホール

Q2. ホールの来場者のスタンダードな服装をイメージすると、どんな雰囲気の服が、どんな割合でいらっしゃいますか。

こちらはホールや公演によって千差万別のようですが、総じて特別な服装でなくても、お洒落を楽しんでいる方が多いようですね。

公演にもよるので、一概に雰囲気を割合で表現するのは難しいです。

男性:仕事帰りの方は、ビジネススーツ。ジーンズやチノパンにジャケットを羽織った方、もっとカジュアルに、セーターやTシャツににパンツスタイルの方もいらっしゃいます。

女性:スーツやワンピースが中心。ニューイヤーコンサートなどを中心に、着物をお召しの方も一定数いらっしゃいます。(サントリーホール)

 

 

男性:平日夜はジャケット+パンツなどのビジネスカジュアルが主流。ワーグナーを上演すると、スーツ(ネクタイあり。ビジネスバッグ携行)率が上がります! 昼公演では、セーターとパンツなど、カジュアルな服装が多いです。特に平日昼は、リタイアされた方が多くカジュアルで色味も渋め。

女性:夜公演は現役世代が多く、ワンピースやスカート+ジャケットなど。ヴィヴィッドな色や柄や華やかなアクセサリーで目を引く方も。演目の初日が夜公演の場合、さらに華やかなワンピースや、ドレス、着物の方もいらっしゃって、気合いを感じます。“結婚式の二次会”程度だと世間では少し浮きますが、オペラの夜公演ならば歓迎されると思います。アクセサリーやスカーフも使いどころです。

休日昼公演は、夜公演よりはカジュアルな服装の比率が高まります。ワンピースや落ち着いたジャケット、きれいめのパンツスタイルなど。着物でいらっしゃる方も、ほぼ必ず目にします。お一人で着物を楽しまれる方も、着物好きでグループ楽しんでいる方もいらっしゃいます。

平日昼は男性同様、ご年配の方の比率が上がりますので、控えめな色合いの服装が多いです。足元もほぼ皆さま、歩きやすいウォーキングシューズを履かれています。

新国立劇場のオペラは、U25・U39の優待プランを使ってお友だちといらっしゃる若い方も多く、男子学生でもネクタイをしたりと、意外と皆さん、精一杯おしゃれをして集まっています。(新国立劇場)

 

 

・男性:シャツ&ジャケットにスラックスなどの方が7~8割、スーツは少数、きれいめカジュアルな服装が1割程度です。その他、お洒落な服装や和服などの方もいらっしゃいます。

・女性:落ち着いたワンピースやセットアップが3~4割、ブラウスやカットソーにきれいめなパンツやスカートを合わせた方が3~4割。

華やかなワンピースやドレスをお召しの方、きれいめカジュアルな服装の方がそれぞれ1割程度です。

その他お洒落な服装、和服などの方もいらっしゃいます。

公演内容にもよりますが、総じて、普段より少しお洒落をしてお越しくださる方が多いようです。

ファミリー向けコンサートでは、ドレスアップを楽しまれているお子さまも多くいらっしゃいます。

 

 

・シリーズによって若干ことなるので、2つのシリーズを例に……

東京交響楽団「名曲全集」

男性:スマートカジュアル8割(カジュアルジャケット、セーター、カジュアルシャツ/チノパンなど)、きちんとスーツ1割、個性派(アロハ、サッカーユニフォーム、和装、東響Tシャツなど)少し。

女性:きれいめカジュアル8割、ワンランク上のレストランに行ける程度のスマートスタイル(ワンピースなど)2割、フォーマル(和装など)少し。

「フェスタサマーミューザ」

男性:襟ありの半袖シャツ+チノパン9割、Tシャツ+短パンなど超カジュアルは意外と少ない。

女性:半袖カジュアルコーデ+羽織もの。(ミューザ川崎)

サントリーホール30周年ガラコンサート(正装コンサート)、ホワイエの様子。特別感のあるコンサートでは、普段よりドレスアップされた方が多いそう。写真提供:サントリーホール

Q3. 周囲の迷惑になるような服装はありますか?

こちらは普段の感覚からすると、少しだけ気を遣う必要があるかも? 普通のコンサートでも2時間弱。オペラになれば4時間近く同じ席に座るわけですから、騒音になりうる音・匂い・帽子には注意! という意見が多数。

音が出やすい素材の服、履物、装飾品、過度な香水の使用など、他のお客様のご迷惑になるものはお控えください。(サントリーホール)

 

・香水がきつすぎる方。長時間同じ席に座りますので、香水はかなり気になります。中にはアレルギーの方もいらっしゃる可能性もあるので、配慮が必要だと思います。同じ理由で、悪臭のするもの。それから大きな帽子は取っていただくことがあります。ガサガサ音が出るような上着やお買物袋、大きなお荷物は、クロークやコインロッカーに預けることをお勧めします。上着を背もたれにかけたり鞄を通路に置くのはNGです。(新国立劇場)

 

・音が出やすい服装(カサカサ鳴るジャンパーや鈴がついたバッグなど)、高さのある帽子はクロークにお預けください。また、客席に段差があるため、高いヒールやミュール、下駄なども避けていただいたほうが良いかと思います。(東京芸術劇場)

 

・夏は、半袖から出る腕が隣の方に当たってクレームになることも。かさばるコートをクロークに預けないで座席周辺がモコモコになっている方(隣にはみ出したり、床に置いて邪魔になったり……)、タバコや香水の匂いが染みついている服。(ミューザ川崎)

Q4. スニーカーやジーンズで出かけてもいいんでしょうか?

こちらもNGを出した会場はなし。オペラでも、スニーカーで出かけてよいという言葉は心強いですね。ミューザ川崎からは、スニーカーで指揮台に上がった指揮者がいるというびっくりな情報も! クラシックの世界も日々、アップデートされているんですね。

スニーカーやジーンズがNGということはなく、実際に着用して来場されるお客様もいらっしゃいます。また、「こども定期演奏会」などお子さま向けのコンサートもありますが、ふだん通学時に着ているスニーカーやジーンズでご来場いただいて、まったく問題ありません。(サントリーホール)

 

・長時間、同じ場にいる訳なので、何にせよ不潔なものを身に着けていると周囲に不快感を与えます。「中学生なのでスニーカーで行かせざるを得ない」と相談されたことがありました。そのように配慮すること自体が大事で、履いているものはスニーカーでも、大声で騒がないなど、場所をわきまえた行動をとっていただければ、まったく問題ないと思います。(新国立劇場)

 

・まったく問題ございません。(東京芸術劇場)

 

・問題ありません。指揮者もスニーカーで舞台に立つ時代です(ファッションモデルとしても仕事をしている指揮者ロレンツォ・ヴィオッティは東京交響楽団を指揮した際に実際におしゃれなスニーカーを履いていました)。(ミューザ川崎)

Q5. コンサートの内容や時間帯で、服装の雰囲気は違いますか?

お昼の時間帯のコンサートは、リラックスした服装が多いという意見が多数。コンサートデビューはランチ・タイム・コンサートが狙い目?

・昼間のコンサートのほうが少しカジュアルな雰囲気の服装の方が多いように感じます。(サントリーホール)

 

・前述のとおり、夜か昼か、あるいはご年配の方の多い平日昼、という雰囲気の違いがあります。ワーグナーを上演すると、仕事帰りに駆けつけるサラリーマン風の方の比率が激増します。(新国立劇場)

 

・ファミリー向けのコンサートや、低価格帯のコンサートなどはカジュアルな服装の方が多くなります。(東京芸術劇場)

 

・ミューザはクラシックに限らず、ジャズ、子ども向けコンサート、参加型イベントなど、さまざまな公演がありますが、高価な価格帯のコンサート以外は、意外と変わらないように思います。ご近所の方が多いからかもしれません。(ミューザ川崎)

ピアニスト小川典子さん(後列右から3番目)のリサイタルにて、ハロウィンの仮装でいらっしゃったお客様と。特別なドレスコードの日は積極的に参加して楽しみたいですね。写真提供:ミューザ川崎シンフォニーホール

Q6. 購入した座席によっても、服装は選ぶべきでしょうか。

気にしなくていいという意見の音楽ホール3つに対して、新国立劇場からは「考慮すべき」の声が。いい席に座るときには、少し背伸びしたお洒落も必要かもしれません。近くに素敵な有名女優さんが座っていて、自分の身なりに気まずくなったことがある、編集部員からもおすすめします

座席によって、服装を選ぶべきということは特にないと思います。(サントリーホール)

 

・S席に座ってみたら隣や後ろに、政財界のVIPや憧れの文化人がいらっしゃるかもしれません。そのとき自信を持って、客席の一員として座っていられるかどうか……。(新国立劇場)

 

・特に気になさらなくて良いかと思います。(東京芸術劇場)

 

・選ぶべき、とは思いませんが、場にふさわしい雰囲気はあると思います。個人的な体験ですが、若い頃に奮発して3万円強の座席を買ったにも関わらず、カジュアルめの服を着ていったら、周囲が素敵な装いの方ばかりだったので、ちょっと居心地が悪く感じました(笑)(ミューザ川崎)

ラグジュアリーな雰囲気を楽しむのも、観賞・観劇の楽しみ。写真提供:新国立劇場

Q7. そのほか、服装について、読者に伝えたいメッセージをお願いします

・コンサートに出かけることを、その前後のお食事などと合わせて、是非お楽しみいただければと思います。演奏するプログラムや、クリスマスやお正月といった時期、またご夫婦やカップルで雰囲気をあわせるなど、ご自身の気分に合わせて服装のお洒落も一緒にお楽しみいただけましたら幸いです。(サントリーホール)

 

・せっかくの場なので、クローゼットに眠っている服やアクセサリーを出して、毎日の服装にプラスアルファおしゃれをしてはいかがでしょう?  我々スタッフも、公演のためにおしゃれをされている方を見ると嬉しいものです。私は特に、ご家族連れでよそゆき着込んで、劇場にいる時間を楽しんでいる光景を見るととても嬉しく感じます。クリスマスのバレエ公演には小さなプリンス/プリンセスがたくさん来場します。オペラでも臆せず、ご家族で楽しんでいただきたいです。

一方で「服がないからオペラに行けない」というのも間違いで、極端な話、臭くなければ許されるかと。

オペラは時間が長いので、クロークを上手に使う(上着や大きなカバンを預ける、靴を履き替えて預けるのもOK)など、サービスを使いこなすことも楽しんでください。これに慣れると、海外の劇場や高級ホテルなどでも堂々と振る舞えるようになると思います。

建築自体が美しい新国立劇場は、撮影スポットもたくさんあります。特にテラスの夜景はおすすめです。オペラは休憩も長いので、ぜひ撮影も楽しんで、その素敵な思い出をお知り合いにシェアしてください!

これは劇場通いが好きな私個人の経験からの一般的アドバイスですが、暑すぎる服装は調節しようがないので避けたほうがよいです。冬は外との温度差もあるので、特に開演に駆け込んで汗びっしょり、というパターンに陥りがち。新国立劇場でも、あるいは大抵のコンサートホールには、ブランケットの貸出などもありますので、薄着で出かけて現地で調整したほうが、集中して鑑賞できると思います。冬にノースリーブも全然ありです。(新国立劇場)

 

・他のお客様のご迷惑にならなければ、どんな服装でお越しいただいても構いません。肩肘を張らずにお気軽なお気持ちでお越しください。

普段より少しお洒落を取り入れていただくと、美しいコンサートホールでの鑑賞体験がより充実したものになるかもしれません!

ぜひ気分が盛り上がるお好みの服装で、ご鑑賞をお楽しみください。(東京芸術劇場)

 

・ミューザはステージを客席が360度取り囲んでおり、ステージからも客席からもホール全体が見渡せるのが特徴となっているホールです。特にステージ周りと一階の客席はステージの明かりで、他ホールに比べると明るく、お客様の様子が反対側のエリアからよく見えます。服装について気難しく考える必要はまったくございませんが、身だしなみを整え、他の方から不快に思われないということが一番だと思います。

その上で、せっかくのコンサートだからこそ「少しおしゃれをして出かける」こともコンサートに向かう気持ちを高める、とてもよいきっかけになると思います。購入してみたものの着ていく場所に困っているちょっといいお洋服がクローゼットの中にあったなら、それを着るためにコンサートに行く、というのも楽しいものですよ。

とはいえ、頑張って滅多に着ない和装で来たら公演中苦しくて音楽どころではなかった、という話を聞いたことがあります。あまり気負わず、着慣れた服装でお越しください。

ミューザは堅苦しくない雰囲気で、初めての方でも安心してお越しいただけるホールです。気軽に来て、本格的な演奏を楽しんでください。(ミューザ川崎)

クロークに上着や荷物を預ければ、観劇にも集中できそう。写真提供:新国立劇場
ステージを360度取り囲むミューザ川崎の客席。演奏者からも、あなたのお洒落が見えているかも!? 写真提供:ミューザ川崎シンフォニーホール
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