ピアノ自慢その1:オーケストラのハーモニーを1人で作り出す無限性
9歳より演奏活動を開始、2005年ニューヨークのカーネギーホールで、翌2006年にはザルツブルク音楽祭でリサイタルデビュー。これまでにドミトリエフ、デュトワ、小澤らの...
1人でオーケストラになれる
小さいとき、LPやカセットテープでオーケストラの作品を聴いて、音楽ってなんて楽しいんだろうと思いました。そして家にあったピアノに夢中になったのは、オーケストラすべての音をこの楽器の上で想像できるところでした。
低音を弾けばコントラバスの地響きがするような音、少し上をバリトン歌手が歌い、クラリネットが鳥のように鳴き、高音にはヴァイオリン、そしてもっと上にはときどきGlockenspielのキンキンとした音色が……このように非直接的にいろいろな楽器を真似でき、そのハーモニーで独自の世界を1人で作れるこの楽器は、いつも無限に感じます。
ほかの楽器に比べて、ポンと叩けば誰でも音が出せますから一見簡単なようですが、この多数の音色を一編に出すには、ハーモニーのセンス、バランスを聴くことが必要とされ、総合的に結局超難関な楽器なのです。打楽器でも弦楽器でもあり、両方の要素を自由自在に動かせないといけない。その上、ペダルは、マニュアル車のクラッチとアクセルのように絶妙なバランスで加えないといい響きが作れない。
こんなにたくさんの要素を支配するのを「楽しい」と思える傲慢さがあるのが、ピアニストという種族なのではないでしょうか?
ピアノの魅力を味わう作品
ストラヴィンスキー:《火の鳥》
ストラヴィンスキー本人の編曲での傑作《火の鳥》のピアノ版。
日時: 2020年11月27日(金)19:00 開演 (18:30 開場)
会場: 東京オペラシティ コンサートホール
出演: ピアノ 小菅 優
料金: (全席指定)一般5,000円、学生2,000円
曲目:
- ベートーヴェン: バレエ「森の乙女」のロシア舞曲の主題による変奏曲 WoO71
- シューベルト:幻想曲 ハ長調 D760 「さすらい人」
- ヤナーチェク: ピアノ・ソナタ 「1905年10月1日・街頭にて」
- 藤倉 大: Akiko’s Diary(※藤倉 大:ピアノ協奏曲第4番 “Akiko’s Piano”の中のカデンツァ部分)
- ショパン: ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
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