読みもの
2022.07.29
My楽器偏愛リレー! vol.31 佐藤友紀

トランペット自慢その1:なんてったって花形!

アーティストが自分の楽器の魅力をとことん語る連載「My楽器偏愛リレー!」。各楽器につき、3つの自慢ポイントを紹介して、次の奏者にバトンを渡します。今回は、オーボエ奏者の吉井瑞穂さんよりバトンを受け取った佐藤友紀さんによるトランペット自慢です。

佐藤友紀
佐藤友紀 トランペット奏者

東京藝術大学音楽学部卒業。アカンサス音楽賞受賞。在学中の97年、シエナ・ウインド・オーケストラに入団。01年~03年、東京藝術大学管弦楽研究部非常勤講師(芸大フィルハ...

ⒸT.Tairadate/TSO

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友人のひとことで決めたトランペット

実は、自分の相棒がトランペットに定着するまでには、何度かほかの楽器との分かれ道がありました。小学校時代にはトロンボーンを経て、フルートやドラムスと並行しながらトランペットを吹いてきて、中学の吹奏楽部に入部する際に、人生を大きく分ける選択となる出来事があったのです。

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その当時、ドラムセットにハマっていた僕は、希望パートをトランペットと打楽器で迷っていました。そんなときにたまたま、音楽にほとんど興味のないような野球部の友人に、下校時に2つのパートで悩んでることを話したところ、「そりゃトランペットだろ〜、花形って感じで目立ってかっこいいじゃん!」と即答。

その言葉に乗せられて、単純な僕は目立ってかっこいい! というだけでトランペットに決め、それが人生を左右する大きな決断になるとはまったく思っていませんでした。

華やかでスカッとするような音楽や、だんだん盛り上がってきて迎える最後の最後のクライマックスなど、ここぞ最高潮! ってところで登場するのが我らがトランペットなのです。聴衆の皆さんの「いよっ! 待ってました〜!」、共に演奏している仲間たちの「あとは頼んだぞ!」などの心の声を勝手に想像して、中学時代の友人のあの言葉を胸に、今もステージに立っています。

トランペットの魅力を味わう作品

マーラー:交響曲第1番《巨人》 (ノット指揮、東京交響楽団)
トランペットが花形として大活躍する音楽といえば、やはりマーラーの交響曲が挙げられと思います。その中でも交響曲第1番の特に4楽章のクライマックスではトランペットに勇ましい旋律がたくさん書かれており、まさに花形として活躍します。このノット監督とのライブ録音は監督から凄まじい勢いで発せられる音楽への要求と奏者の音がぶつかり合った渾身の一枚です。

佐藤友紀
佐藤友紀 トランペット奏者

東京藝術大学音楽学部卒業。アカンサス音楽賞受賞。在学中の97年、シエナ・ウインド・オーケストラに入団。01年~03年、東京藝術大学管弦楽研究部非常勤講師(芸大フィルハ...

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