読みもの
2021.09.03
My楽器偏愛リレー! vol.22 coba

アコーディオン自慢その1:身体との接着面が広く、演奏者の多様な個性が露わに!

アーティストが自分の楽器の魅力をとことん語る連載「My楽器偏愛リレー!」。各楽器につき、3つの自慢ポイントを紹介して、次の奏者にバトンを渡します。今回は、ヴァイオリンの千住真理子さんよりバトンを受け取ったcobaさんによるアコーディオン自慢です。

coba
coba アコーディオニスト・作曲家

1959年4月29日生まれ。3歳から音感教育で音楽に接し、18歳でイタリアに留学。アコーディオンの頂点を目指す学生が世界各地から集結する名門校、ヴェネツィアのルチアー...

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まるで大切な恋人を抱きしめるように演奏する楽器

アコーディオンは上半身で、まるで大切な恋人を抱きしめるように演奏します。僕が知る限り、世界中でもっとも身体への接着面積の広い楽器です。

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1829年に、ウィーンのシリル・デミアンによって第1号が製作され、その後世界中の民族音楽とともに発達し、1900年代後半からクラシック、現代音楽、ジャズの中でも大きく頭角を現してきたアコーディオンですから、演奏家たちも恐ろしく多ジャンルを極めます。世界の民族音楽の数だけアコーディオンのジャンルが存在するといっても過言ではありません。

そんなわけで、演奏家の個性も星の数ほど。例えば、ウィーンでクラシックの世界コンクールで入賞した若者が翌日には故郷のバーで高速変拍子バリバリの民族音楽バンドの中で演奏しているなんていうこともしばしば。

身体への接着面積が広いと、そのぶん楽器に伝わる情報量も多くなり、この楽器はおしなべて演奏者の個性や人格が露わになってしまいます。何十年もこの楽器と付き合っていると、ある人の演奏を聴いた瞬間に、その性格や個性を如実に感じ、のちにその人物を知ると大体当たっています(笑)。演奏者の本性が曝け出されてしまう恐ろしい楽器! それこそがアコーディオンの正体なのかもしれません。

アコーディオンの魅力を味わう作品

coba:アコーディオンのためのワルツ 
アルバム『The Accordion』は全曲アコーディオンソロで録音。この曲は世界中にいる僕の後輩たち、すべてのアコーディオニストに捧げた曲です。アコーディオン音楽の故郷「バルミュゼット」をイメージして、「大切な恋人を抱きしめるように演奏」してほしい。

coba『The Accordion』

3年ぶりの全曲オリジナルによるソロアルバム。
『The Accordion』は、60歳を迎え、ますます精力的に活動の幅を広げる"油断のできないオトコ" cobaの何と!通算43枚目のアルバム。自らの原点に立ち戻った上で、クリエイティブの新たな境地を作り上げたcobaのオリジナル楽曲をアコーディオン1台のみで表現する意欲作。
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coba アコーディオニスト・作曲家

1959年4月29日生まれ。3歳から音感教育で音楽に接し、18歳でイタリアに留学。アコーディオンの頂点を目指す学生が世界各地から集結する名門校、ヴェネツィアのルチアー...

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