読みもの
2018.07.03

日めくりオントモ語録/ピエール・ブーレーズ

イラスト:駿高泰子

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自分が何かから影響を受けるというときには、その影響を受けたものの根底の、深いところへと入り込んでその全てを吸収し、その対象をことごとく変容させることが必要です。

―― ピエール・ブーレーズ 「レコード芸術」2010年1月号より

作曲家としてデビューし、指揮者としても活躍したフランスの偉大な音楽家 ピエール・ブーレーズ。作曲するときには、日常すべてのことからの影響を受け容れ、さらに肉食動物のように目を皿にして、積極的に獲物(アイディア)を探すと語っています。

ブーレーズ若き日の名作《フルートとピアノのためのソナチネ》
ソフィー・シェリエ(フルート) 、ピエール=ロラン・エマール(ピアノ)

この作品に関して、構造はシェーンベルクの室内楽交響曲第1番から借用しつつ、書法の様式を受け継いでいるわけではないとブーレーズはインタビューの中で語っている

ピエール・ブーレーズ (Pierre BOULEZ 1925-2016)

革新と反逆を旗印に、第2次大戦後のクラシック音楽界に強烈な刺激と新しい指針を与え続けている作曲家、指揮者、音楽教育家である。
1925年、フラスのロワール県で生まれる。秀才の集まるエコール・ポリテクニックを目指し、高等学校では数学を専攻するが、やがて音楽の道に進む。パリ音楽院でオリヴィエ・メシアンに学び、40年代半ばから作曲活動を始めた。46年、「フルートとピアノのためのソナチネ」などを次々と発表、新鋭作曲家として注目を集める。西洋音楽の古典的な諸形式を解体したといわれる「ピアノ・ソナタ第2番」、戦後の音楽に指標的な価値をもつと評された「主のない槌(つち)」(1952-54、改訂57)などは、日本でもよく演奏されている。一方、マドレーヌ・ルノーとジャン・ルイ・バローの劇団の音楽監督としても活躍。
70年代にフランス国立の「IRCAM」(音楽/音響の探究と調整の研究所)を創設、IRCAMで繰り広げられた活動は、フランスはじめヨーロッパ現代音楽文化を統合するものであった。1991年IRCAM所長を辞任し、活発な、挑戦的な演奏、作曲活動を展開した。

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