日めくりオントモ語録/庄司紗矢香
冷たさと熱さのコンビネーション、両面性……。この曲には深遠を覗いているような、とてつもない暗さを感じます。
(シベリウスのヴァイオリン協奏曲について)
―― 庄司紗矢香「レコード芸術」2018年10月号より
ロシアの大指揮者ユーリ・テミルカーノフとともにベートーヴェンとシベリウスのヴァイオリン協奏曲を録音した庄司、シベリウスのヴァイオリン協奏曲についての一言。「表面は冷たさがあるのに、その裏側にある熱さとか、人間的なところ、マグマみたいなものが流れているようなことを、この協奏曲には感じています」と、この曲の魅力を語りました。
11月には録音と同じメンバーで来日公演も予定されています。
インタビューの中で、幼いころから愛聴していると語ったジネット・ヌヴーによるシベリウスのヴァイオリン協奏曲
1999年パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで史上最年少および日本人として初めて優勝。1998年からヨーロッパを拠点に活動し、ヴラディーミル・アシュケナージ、シャルル・デュトワ、マリス・ヤンソンス、ズービン・メータ、セミョーン・ビシュコフ、パーヴォ・ヤルヴィ、チョン・ミュンフン、アントニオ・パッパーノ、ヤニック・ネゼ=セガンといった世界を代表する指揮者たちと共演を重ねている。近年は、BBCフィルハーモニック、ウィーン交響楽団、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン、デンマーク放送交響楽団、NHK交響楽団などのコンサートに登場している。2013年12月には、庄司の長年にわたる指導者・理解者であるユーリ・テミルカーノフより、サンクトペテルブルクでおこなわれた彼の70歳および75歳バースデー・ガラ・コンサートにロシア系以外の演奏家で唯一招待された。ソリストとして多忙な活動をしている庄司は室内楽活動にも力を入れており、これまでにジョシュア・ベル、ワディム・レーピン、イタマール・ゴラン、スティーヴン・イッサーリス、ラン・ラン、マルティン・フレストらと共演。定期的にピアニストのジャンルカ・カシオーリとデュオを組み、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集の4枚目のCD、最後の1枚を2015年春に発売。また、彼女はメナヘム・プレスラーとも共演し、その記録はライヴ収録され2015年秋に発売された。
使用楽器は、上野製薬株式会社により貸与された1729年製ストラディヴァリウス“レカミエ(Recamier)”。
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