日めくりオントモ語録/菊池洋子
モーツァルトの音楽で意識していることは、枠の中でいかに自由にできるかが重要、ということです。オペラ歌手が歌うように、一つひとつの言葉の長さが違うように、その音たちをどのように会話させるか。
――菊池洋子「音楽の友」2018年6月号より
モーツァルトの演奏について。さらに「その音たちをどのように会話させるか。しかも、それをいかに自由に自然に、今ここで考えたことが出てきているかのように語るか、ということです」とモーツァルト作品を弾く醍醐味について語った。
前橋市生まれ。故田中希代子、故林秀光の各氏に師事。桐朋学園女子高等学校音楽科卒業後、イタリアのイモラ音楽院に留学、フランコ・スカラ、フォルテピアノをステファノ・フィウッツィに師事。97年、ミラノにおいてソロ・リサイタルを行う。同年ユベール・スダーン指揮、シチリア交響楽団のコンサートツアーのソリストに抜擢され、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を3夜連続コンサートで演奏し、イタリアの新聞紙上で絶賛された。2002年1月、ザルツブルクで行われた第8回モーツァルト国際コンクールにおいて日本人として初めて優勝し、一躍注目を浴びる。03年には夏のザルツブルク音楽祭のモーツァルト・マチネに出演、アイヴァー・ボルトン指揮/ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団と共演し大成功をおさめた。05年「モーツァルト・アルバム」(エイベックス)でCDデビューし、第18回ミュージック・ペンクラブ音楽賞クラシック部門録音・録画作品 (日本人アーティスト)賞を受賞。06年9月には、アフラートゥス・クインテットと共演したモーツァルトとR.シュトラウスのCD(オクタヴィア)を、11月には「モーツァルト・アルバム第2弾」(エイベックス)がリリースされた。09年1月には「モーツァルト:ピアノ・ソナタ集」をリリース(エイベックス)。 11年には、ホルンの世界的名手ラデク・バボラークと共演したアルバムを2枚リリース(オクタヴィア)し好評を博した。最新版は、小品集「ロマンティック・アンコール」(エイベックス)。第1回上毛芸術文化賞(音楽部門)受賞。2007年第17回出光音楽賞受賞。
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