2020.06.26
高坂はる香の「思いつき☆こばなし」第14話
続・美食でふくよかな作曲家からの……体重計の起源
高坂はる香 音楽ライター
大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...
前々回、40代で音楽界から引退したのち、食道楽を極めたロッシーニの話をご紹介しました。彼の食いしん坊ぶりはサロンやゴシップ記事でも話題となり、そのまるまるとした姿を題材にした風刺画も多く残されています。
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ふくよかな姿のイラストが残されている作曲家として、もう一人、すぐに思い浮かぶのは、ブラームス。オットー・ベーラーの影絵が有名で、「赤いハリネズミ」という行きつけのお店の食事を好んだことも知られています。精悍な美青年だった若い頃の肖像画もありますが、まるで別人のよう。
20歳ころのヨハネス・ブラームス(1833-1897)。
音楽家ばかりを作品にしたオーストリアのシルエット・アーティスト、オットー・ベーラーによるブラームスの影絵(1914年)。
一方、ショパンのように病弱で痩せていたり、ラヴェルのように得意の水泳などでスタイルをキープしていた作曲家もいます。
ところで、そもそも19世紀の人々はどんなふうに体重を計っていたのだろうと思って調べてみたら、体重計の歴史として、ヘルスメーターのタニタのサイトにこんな情報がありました。
体重をはかる歴史は古く、インドのムガール王朝時代のある王様が毎年自身の誕生日に、年々増えていく自分の体重をはかり国民に告知するようになったのがその起源と言われています。当時は飢餓が身近だった時代。体重が増えていくということが富と権力の象徴でした
インド起源とは、知らなかった……。
ちなみに、ご存知の方もいるかもしれませんが、インドの道端には、体重計り屋のおじさんがいます。平らな地面に体重計を置いて、その横に体育座りをしてじっと待っている。数値もしっかり読み上げてくれます。
便利ですが、人が多い場所で利用するには、少し勇気がいりそうです。
ムンバイのムスリム寺院への参道で撮った体重計り屋のおじさん(写真左)。以前は2ルピーくらいだった料金は、現在10ルピー(15円)くらいに。
高坂はる香の「思いつき☆こばなし」
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