ショパンコンクール取材の合間に出会ったワルシャワの壁アート
大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...
20世紀後半、ポーランドのポスターデザインは、美術界に大きな影響を与えたと言われています。
それの影響があるのかないのかはわかりませんが、今回、ショパンコンクールの取材でワルシャワに滞在している間も、街のあちこちで、建物の壁面にいろいろなペイントを見かけました。落書きっぽいものからおそらくアートと思われるものまで、それはもういろいろ。
こちらはワルシャワフィルハーモニーホール近くの路地裏で見つけたもの。
レコードを聴いている女性のようです。そしてちょっと見えにくいかもしれませんが、上部に謎のメッセージ! 自動翻訳したものを見て書き写したんだろうなという感じのする、なごむ言い回しの日本語です。言いたいことは伝わる。
こちらは先日ジョギング中に見つけたもの。
落書き? でも、これだけびっしり描かれているのだから、もしかしたら街とコラボした何かなのかもと思えるくらい、堂々とした落書き。夜だったので、ちょっと怖かったです。
ちなみに、ペイントされている建物の外観はこれです。こういう風情のある建物の中にも、容赦なく描いちゃうポーランドの人。
こちらは全然壁のペイントではありませんが、横断歩道。鍵盤ですね!
特にホールの近くとかではない場所なのですが、なぜか特別仕様です。
そして、大きな建物の一面に描かれた、謎の兵士たちの姿。
窓が口になっていたりしますが、よく見ると、どの兵士も頭や手に穴が開き、そこから出た紐で操られているようです。
さらによく見てみると、ヘルメットについているのはソ連軍風のマーク。なかなかの風刺画なのかも。
最後はこちら、ショパンコンクールの主催者であるショパン・インスティテュート(研究所)の建物に描かれたペイント。
下のほうの手の描き方も独特ですが、やっぱり気になるのは上のショパンの顔ですよね。
白黒のショパンの表面が割れたその下から、生身の色のショパンの顔が覗いている……。これはなんでしょう、ショパンを蘇らせるとか、ショパンについて凝り固まった概念を取り除き、新しい姿を解き明かしていくとか、そういう研究所の意志の表れなのでしょうか?
こういう壁のペイントって、いつからそこにあるのか、誰が何の目的で描いているのか、いまいちよくわからないことが多いところもおもしろいですね。想像が広がります。
ショパンコンクールのファイナル直前に、高坂さんがライブ配信で歩いたワルシャワの街
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