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2025.05.10
30秒でわかるヨハン・シュトラウス2世:ワルツ《春の声》
ショパン:ポロネーズ第6番《英雄》について30秒で丸わかり♪
フレデリック・ショパン(1810〜49)は、幼い頃から耳にしていた母国ポーランドの民俗音楽から多くの語法を取り入れながら、彼独自のピアノ曲の書法を究めていきました。なかでもマズルカとポロネーズはポーランドの民俗舞曲そのものを芸術的に様式化したものだけに、彼の民族的な面を端的に示したジャンルとなっています。
その彼のポロネーズの中でもとりわけ広く知られている作品がこの《英雄》です。後期の所産だけに彼の円熟した書法が如実に示されており、ポロネーズのリズムのうちにも民俗舞曲本来の枠をはるかに超越したスケールの大きさを生み出しています。ピアニスティックな華麗さにも欠くところがなく、まさに“英雄”と呼ぶに相応しい輝かしい雄渾さを持った作品といえるでしょう。
自由な3部形式をとり、序奏の後に示される主題はまさに雄渾そのもので力強く発展し、中間部では左手のオクターヴの動きの上で新たな軍隊行進曲風の主題が奏されます。
作曲年: 1842〜43年
演奏時間: 約7分
編成: ピアノ