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2025.02.17
名曲解説100

30秒でわかるショパン:ポロネーズ第7番《幻想》(幻想ポロネーズ)

ショパン:ポロネーズ第7番《幻想》について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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フレデリック・ショパン(1810〜49)は、ポーランドの民俗舞曲ポロネーズをピアニスティックで芸術的なピアノ曲として様式化し洗練させていきました。彼の最後のポロネーズとなったこの第7番は、晩年の作だけあって、彼のポロネーズ中でももっとも芸術的な様式化の進んだものとなっています。作曲者自身《幻想》と題していることにも窺い知れるように、ポロネーズのリズムを用いた幻想曲といった趣が強いといえるでしょう。

形式的にも3部形式を土台とするそれまでの彼のポロネーズとは異なり、4つの主要な主題を自由に展開しながら劇的な起伏を作り出すといった独創的な形式をとっており、多様な感情の起伏と綾が、変化に満ちた展開のうちに表現されています。

当時のショパンは、それまで彼の心の支えとなっていた恋人の女性作家ジョルジュ・サンドとの破局や健康への不安を抱えていましたが、そうした苦悩が滲み出ているような、激しい情熱性に満ちた傑作となっています。

ショパン:ポロネーズ第7番《幻想》 変イ長調  作品61

作曲年:1845〜46年

演奏時間:約13分

編成:ピアノ

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