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2025.10.08
名曲解説100

30秒でわかるショパン:即興曲第4番《幻想即興曲》

ショパン:即興曲第4番《幻想即興曲》について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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フレデリック・ショパン(1810~49)は即興曲と題された作品を4曲残しており、いずれの曲もその題に相応しく、ロマン的な曲想のうちに自由な感興を歌い上げたものとなっています。

その中のひとつであるこの《幻想即興曲》は、ショパン死後の1855年になって友人のフォンタナによって出版された作品で、出版が最も遅かったために第4番とも呼ばれていますが、4曲のうちでは最も早く作曲されています。

《幻想》という題は、フォンタナが出版に際して付けたもので、ショパン自身によるものではありませんが、暗い色調のうちに自由に情熱をはばたかせた曲の性格にマッチしたものといえるでしょう。ただフォンタナは、出版にあたってショパンの楽譜に改訂の手を加え、その形で長らく伝わってきました。最近はショパン自身に基づく版が出され、それによる演奏が一般的になっています。

曲は、両手のリズムの違いが幻想性を生み出す主部と、甘美な旋律が歌われる中間部からなり、最後は中間部の旋律を回想しながら余韻を残して終わります。学習者によって好んで取り上げられるなど、広く親しまれている名曲です。

ショパン:即興曲第4番 嬰ヘ短調 作品66《幻想即興曲》

作曲年:1834(?)~35年

演奏時間:約5分

編成:ピアノ

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1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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