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2025.11.25
名曲解説100

30秒でわかるショパン:夜想曲第20番(遺作)

ショパン:夜想曲第20番(遺作)について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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フレデリク・ショパン(1810~49)は約20曲の夜想曲(ノクターン)を残しています。夢想的な詩情を重んじる夜想曲というジャンルの特質は、彼のロマン的資質にとりわけぴったりのものといえるでしょう。

この嬰ハ短調の曲は若き日の所産で、姉ルドヴィカのために書かれ、死後の1875年に初めて出版されました。実はこの曲は特に夜想曲とは記されておらず、“レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ”という速度発想表記が記載されているだけで、ショパン自身がこの曲を何と題したかは明らかではありません。しかし曲想やスタイルは明らかに夜想曲といえるもので、ルドヴィカの作成した目録にも「1830年にウィーンから私に送られた夜想曲風のレント」と記されています。

曲はメランコリックな旋律美に満ちており、重々しい序奏の後、暗い主題が歌われ、中間部にはショパン初期の名作であるピアノ協奏曲第2番の第3楽章の主題が引用されるのが注目されます。

ショパン:夜想曲第20番(遺作)

作曲年:1830年

演奏時間:約4分30秒

編成:ピアノ

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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