今週の音楽家の名言【ピアニスト ジャン=マルク・ルイサダ】
Webマガジン「ONTOMO」でインタビューをした音楽家の記事から、心に響く名言をお届けします。今週はピアニスト ジャン=マルク・ルイサダさんの名言をどうぞ。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
完璧は存在しません。完璧などというものが存在すると思うなら、そこであなたは終わりです。
――「ONTOMO」2023.09.27 インタビューより
ルイサダにきく 若いピアニストの指導哲学〈後編〉演奏における自由と感情表現について
演奏家にとって“完璧”とは、永遠に届かない星のようなものなのかもしれません。
音のニュアンスひとつ、表現のわずかな揺らぎにまで神経を研ぎ澄ませるその世界は、私たちには想像もつかないほど繊細で深いものだと思います。
ただ、「何かをより良くしたい」と思い続けながら、同時に「完璧を求めすぎると苦しくなる」と感じた経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
仕事で成果を求めすぎて自分を追い込んでしまったり、理想のかたちに届かずに立ち止まってしまったり……完璧を目指す気持ちと、それに縛られてしまう苦しさ。その両方を、私たちは日々のなかで味わっているように思います。
だからこそ、フランスのピアニスト、ジャン=マルク・ルイサダのこの言葉は、演奏家の言葉でありながらも、私たち一人ひとりのあり方にも静かに響いてくるのではないでしょうか。
パリ音楽院などで学び、1985年のショパン国際コンクールで入賞して以来、傑出したピアニストとして活動している。デュトワやヤノフスキらが指揮するロンドン響、フランス国立菅、またモディリアーニ弦楽四重奏団などと共演し、カーネギーホールやウィグモアホールなどの主要ホールで演奏。国際音楽祭にも数多く招かれている。
録音も多く、ドイツ・グラモフォンとソニーから発売したショパンのワルツ、マズルカ、グラナドス「ゴイェスカス」などは評判を呼んだ。ラ・ドルチェ・ヴォルタ・レーベルからは最新盤『今夜は映画館で』をリリース。自らの人生を育んだ映画へのオマージュとなっている。
フランス共和国芸術文化勲章”オフィシエ”を受勲。
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