今週の音楽家の名言【ピアニスト・小菅優】
Webマガジン「ONTOMO」でインタビューをした音楽家の記事から、心に響く名言をお届けします。今週はピアニスト・小菅優さんの名言をどうぞ。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ピアニストは最終的には孤独なんです。
――「ONTOMO」2024.04.18 インタビューより
いまアーティストの存在はどうあるべき?ピアニスト小菅優が問いかけるシェーンベルク
ピアニスト・小菅優さんは、ソロだけでなく、室内楽や声楽との共演にも積極的に取り組んできました。
仲間と音楽を分かち合い、対話しながら一つの作品を創り上げる……そんな時間を心から大切にしている演奏家です。
だからこそ、「ピアニストは最終的には孤独なんです」という言葉には、単なる寂しさや距離感ではない、もっと本質的な意味が込められているのではないでしょうか。
舞台の上で責任を背負い、音楽にすべてを委ねる瞬間には、どうしても一人で向き合う覚悟が求められる。
その“孤独”は、音楽に真摯であろうとする人が抱く、決意とも言えるのかもしれません。
共演の喜びを知っているからこそ、感じるひとりの重み。
その間にこそ、小菅優さんの音楽の強さと美しさが宿っているように思えます。
高度なテクニックと美しい音色、深い楽曲理解で最も注目を浴びているピアニストの一人。
2000年にドイツ最大の音楽評論誌「フォノ・フォルム」より、ショパンの練習曲全曲録音に5つ星が与えられた。
9歳より演奏活動を開始、2005年ニューヨークのカーネギーホールで、翌2006年には、ザルツブルク音楽祭でそれぞれリサイタルデビューを行い大成功を収めた。
これまでにドミトリエフ、デュトワ、小澤、ノリントン、オラモ、ノット等の指揮でベルリン響、フランクフルト放送響、シュトゥットガルト放送響、BBC響、NDR北ドイツ放送フィル、サンクトペテルブルク響、フィンランド放送響、フランス放送響、スイス・ロマンド管等と共演。
ザルツブルク音楽祭では、イーヴォ・ポゴレリッチの代役としてフィリップ・ヘレヴェッヘ指揮カメラータ・ザルツブルクと共演し、絶賛を博した。そのほか、紀尾井シンフォニエッタ(指揮:ティエリー・フィッシャー)のアメリカ・ツアーおよびハンスイェルク・シェレンベルガー指揮カメラータ・ザルツブルクの日本ツアーへの参加、服部譲二指揮ウィーン室内管弦楽団との共演、ロンドンのウィグモアホールでリサイタルなど、海外でも着実にその活躍の場を広げている。
2010年から15年にはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会(全8回)を東京、大阪で行い各方面から絶賛を博した。そのほか、ソロだけでなく室内楽や歌曲伴奏を含む、ベートーヴェンのすべてのピアノ付き作品を徐々に取り上げる新企画「ベートーヴェン詣」にも取り組んでいる。2017年から4年にわたり、4つの元素「水・火・風・大地」をテーマにしたリサイタル・シリーズ『Four Elements』を開催した。
録音は、ソニーから発売しているライアン・ウィグルスワース指揮 BBC交響楽団による『藤倉大:ピアノ協奏曲<インパルス>&WHIM/ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調』(第77回文化庁芸術祭優秀賞受賞)をはじめ数多い。
第13回新日鉄音楽賞、2004年アメリカ・ワシントン賞、第8回ホテルオークラ音楽賞、第17回出光音楽賞を受賞。2014年に第64回芸術選奨音楽部門 文部科学大臣新人賞、2017年に第48回サントリー音楽賞受賞。
2023年よりピアノ・ソナタに焦点をあてた新プロジェクト”ソナタ・シリーズ”を始動。
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