聴いて・弾いて・学んで! ピアノっていいなの毎日
東京都出身。音楽之友社でこれまで書籍や楽譜の編集、「音楽の友」編集部を経て、2016~2022年「ムジカノーヴァ」編集長を務める。趣味だったピアノに突然目覚めて音楽高...
こんにちは。ピアノを教える人、学ぶ人の雑誌『ムジカノーヴァ』の西脇です。
私の毎日は、他の社員と同様、ほぼ音楽に関することで占められています。プラス、食べ盛りの子どもの毎日の夕食のメニューについてでしょうか(笑)。
音楽は聴くこと・演奏することに加えて、私はその周辺のことにも昔から興味がありました。
作品が生まれた背景にあるもの――歴史・思想・美術・建築・文学・映画etc―― を知ろうとすると、知りたいことがどんどん芋づる式に出てくるので、際限がありません。
音楽そのものについても、テクニック、楽器と奏法の関係、アナリーゼ、音楽史、演奏解釈…… こちらも知りたいことは限りなくある。
時に気が遠くなりそうにもなりますが、どこまで行っても到達点がないので飽きることもありません。そのような対象を見つけられて、幸せだな、と思います。
聴くこと、については、仕事柄、できるだけコンサートに足を運ぶようにしています。ピアノから放たれた弱音が、薄墨を水に落としたように空間に広がり、蕩けるように消えていく…… そんな瞬間が至福の時です。
仕事でクタクタのときでも、いい音楽を聴いたあとは幸福感でいっぱい、足取り軽く帰路につく……音楽からいつもパワーをもらっています。
演奏すること、からは、仕事と育児に追われて長らく離れていました。ですので、今では自分でも笑っちゃうほど弾けません。
しかし、「ムジカノーヴァ」に配属になって、再びピアノ愛が目覚めてきました。
そのきっかけとなったのは、巻末の付録楽譜。オーケストラやピアノ協奏曲の超名曲の連弾です。宣伝のために編集部スタッフで練習して、動画を流すことにしたのですが、それが素直に楽しくて、ピアノを弾く喜びの原点に戻ったような気がしました。体も細胞レベルで喜んでいました。
この連弾譜は2017年7月号から2018年6月号まで付いていますので、皆さんもぜひ、お弾きになってみてください。
右:6月27日に「ムジカノーヴァ」の「今月の1曲」からバロックの10名曲を厳選、第一線の執筆陣によるアナリーゼ、演奏・指導法、ソルフェ―ジュ、エチュード記事とふりがな付き読み物も収録したムックが発売になります。
大人になってよかったなと思うのは、音楽を聴いたり演奏したりすることを、より深く味わえるようになったこと。たとえばワインのように(私がワインに詳しいということではありません……)。
次なるステップは、名曲揃いのピアノ三重奏やピアノ四重奏か、それとも挫折し続けているジャズ・ピアノか――夢は広がります。
そんなこんなで、聴いて・弾いて・学んで、「音楽っていいな」の毎日。
みなさんもまたピアノ、始めてみませんか?
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