読みもの
2020.08.26
8月の特集「吹奏楽!」

アメリカでの演奏や50枚超の録音などで躍進! フィルハーモニック・ウインズ大阪

数多くの吹奏楽作品を書いているベルギーの作曲家、ヤン・ヴァン=デル=ローストを首席客演指揮者に迎えている、フィルハーモニック・ウインズ大阪の躍進とは? 共にアメリカ・シカゴの音楽祭へも出演も果たしている、正指揮者の松尾共哲さんに答えていただきました。

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フィルハーモニック・ウインズ大阪の自己紹介♪

松尾 1999年に自主運営の楽団として発足し、2006年、日本初のNPO法人のプロフェッショナル吹奏楽団となりました。

いずみホールでの「定期演奏会」を中心に、吹奏楽の新たな可能性を追求し続け、さまざまなレパートリーを意欲的に取り入れた演奏会を多数企画・実施しております。

またCDレコーディングも積極的に行ない、リリースしたCDの枚数は60枚を超えています。2019年に創立20周年を迎え、2度目となる海外公演として「第73回ミッドウエスト・クリニック」のファイナルコンサートに出演し、クリニック史上最高の公演と称賛を得ました。

2019年にアメリカのシカゴで開催された「第73回ミッドウエスト・クリニック」のファイナルコンサートにて。
指揮者の松尾共哲さんの両脇には、ニューヨークフィルハーモニック首席トランペット奏者クリストファー・マーティンさんと、同じく首席トロンボーン奏者のジョセフ・アレッシさん。

上のCDは、2020年3月15日に開催予定だった第28回定期演奏会が中止を余儀なくされたが、そのプログラムによるレコーディングが実現したもの。
下はそのCDに収録されている創立20周年記念委嘱作品、高 昌帥「Viv as an Oak」

Q. オオサカンが考える吹奏楽の魅力と、それを伝えるための演奏会の企画や曲目の方向性は?

松尾 吹奏楽は楽器の種類も多く、音色の多彩性が最大の魅力と考えています。また、演奏される音楽のジャンルも多岐にわたります。オーケストラの編曲作品も取り上げますが、吹奏楽のための交響曲や協奏曲も積極的に取り上げています。

2013年に当団の首席客演指揮者に就任したヤン・ヴァン=デル=ロースト「知られざる良い作品は山ほどある。それらを取り上げるのも私たちの役目」との考えを打ち出し、古今東西の知られざる作品や有名作曲家の珍しい作品などもプログラミングしています。

作曲家で、同団の首席客演指揮者のヤン・ヴァン=デル=ロースト。1956年、ベルギーのデュッフェルで生まれ。レメンス音楽院で教鞭をとり、名古屋芸術大学の名誉教授と洗足学園音楽大学の客員教授、尚美ミュージックカレッジ専門学校で特別客員教授を務めている。

オオサカン創立20周年記念委嘱作品 ヤン・ヴァン=デル=ロースト「出発進行!」

Q. オオサカンならではの活動の特色とは?

松尾 2011年に豊能町(大阪府)教育委員会と「教育・文化・芸術等の振興」に関する協定を結び、豊能町立ユーベルホールを拠点として活動しております。教育委員会と連携しながら大小さまざまな公演を実施し、地域に根差した活動を通じて音楽文化の広い普及と発展を目指しています。

松尾 セッションレコーディングも積極的に行なっており、「stereo」「レコード芸術」誌において優秀録音盤や特選盤に選ばれるなど、高い評価を受けています。

2015年より、定期演奏会に海外で活躍する演奏家をソリストとして招聘しており、世界レベルの演奏を披露していただくだけでなく、マスタークラスも開催し、後進の指導にも役立てています。

Q. 今後の展望を教えてください

松尾 以前からの展望であった定期演奏会の拡充や、自主レーベルOsakan Recordingsの立ち上げを、20周年を機に2019年に行ないました。

コロナ禍で楽団として維持することも大変な時期ですが、音楽面・経営面ともに常に発展し続けたいと思います。

オーケストラにはプロフェッショナルの連盟があるように、吹奏楽団も横のつながりを強化して、より一層吹奏楽の普及と発展に寄与できればと思います。

読者へのメッセージをお願いします

松尾 日本では、近年数多くのプロフェッショナル楽団が活動をしております。吹奏楽は演奏することも楽しみのひとつですが、ぜひ演奏会に足をお運びいただき、コンクールとはまた違った観点でお楽しみいただけたらと思います。

また、皆さんがこれまでに聴いたことのある吹奏楽作品の音源は、もしかしたら私たちオオサカンの演奏かもしれません!

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