オペラ歌手・鳥木弥生に倣う! リモートワークでの筋トレと声&表情のつくりかた
とにかく明るいお人柄のメゾ・ソプラノ歌手の鳥木弥生さんに聞く、 明るいリモートワーク生活の送りかた、歌い手ならではの身体の鍛えかた、ビデオ会議での声と表情のつくりかたをどうぞ!(※本記事はリモート取材を行なっております)
武蔵野音楽大学卒業後、ロシア、セルヴィアなど東欧各地におけるリサイタルで活動を開始。第1回E.オブラスツォワ国際コンクールに入賞し、マリインスキー歌劇場において、G....
オペラ歌手が実践する筋トレ
演奏活動が完全停止状態のオペラ歌手たちが、毎日何をして過ごしているのか……?
気になります? なりません?(笑)
当然のことながら、みんな悔しい気持ちで、早く再び音楽、舞台仲間、そして観客のみなさまとの一期一会の瞬間に精力を注ぎたいと思っています。そして、厳しい修行時代を通じて養った忍耐は、この状況にあっても、決して立ち消えたりはしません。
さて。一例ではありますが、私自身がどう過ごしているかというと。
最初は完全に久しぶりのお休み満喫気分で、忙しくて読めなかった本、漫画、観たかったシーズン7、8くらいまである海外ドラマ、やりたかったゲームなどに耽溺し、その後、行き着いたのが「筋トレ」。
オペラ歌手といえば腹筋、腹筋といえばオペラ歌手なわけですが、最近「立ったまま腹筋」なるものを教えていただきました。文字通り、立ったまま、グーに握った両手を首の後ろに置いて肘の位置を高く、片足を前に出して腹部が伸びるようにしながら呼吸と共にお腹を引っ込める、というのが基本なのですが、通常の寝た姿勢での腹筋運動やV字腹筋をやりすぎ、しばしば腰を痛める(ランナーズハイならぬフッキナーズハイになって、やめ時がわからなくなる)私にとっては福音となりました!
さらに、今年のお正月に手に入れ、3日坊主にはなりたくなくて4日続けたあとに放置していた、Nintendo Switch「リングフィット アドベンチャー」も復活。
南仏でロックダウン生活を余儀なくされているパリ時代からの友人と、トレーニングの進捗具合を報告しあい、同じ息子をもつ母として励まし合ったりもしています。
世界中を飛び回る仕事ゆえ、リモート経験が豊富?
あとはオンラインを利用して、今後の演奏会の作戦会議!
オペラ歌手もリモートワーク!?
ピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。
確かに「生きた音楽、声、舞台の息遣い」をお届けするのが本分の私たちではありますが、それゆえに、世界中を飛び回る仕事でもあります。
離れた国にいる同僚との打ち合わせ、また歌の師匠とのテクニック調整などでも、もともとスカイプなどを利用して音声と映像でやりとりしていた人も多いのです。
以前、楽譜が手元にない状態で、演奏曲カットの相談を指揮者と文章でせねばならず、「ジャーン、ジャジャジャーのあと、パラパラピラリに飛んでいただいて、ドーン! で終わりでいいですか?」なんていう危険な打ち合わせをしたこともありましたが(本番は奇跡的に上手くいきました)、音声と映像があれば、発声や発音、曲想などもそれなりに聴き合えるので、今後ますます活用する人が増えそうです。
先日は勤務する大学の講師たちで、状況に合わせてリモートで講義、レッスンをする可能性を探る会議をしましたが、昨今のオンラインビデオ通話のさまざまな機能により、片付いていない部屋の問題は、背景を変えることでクリアできることがわかりました(笑)。
洗足学園音楽大学 声楽コース、オペラ実習講師によるアプリ「Zoom」を使った会議の様子(音声なし)
ビデオ会議の前に、表情と発声の練習を!
もちろん、実際に会って、同じ空間に声を響かせ合う喜びには替え難いのですが、今は会えない友人、同僚たちの元気そうな顔を見て、声を聞くのは嬉しいものです。これからは、リモートワークでも伝わる表情と声が必要になるかも?
一人で家にいて突然ちゃんと話さなきゃ! となったら、ちょっとした発声練習から始めてみるのもよいかもしれません。
疲れた声にならず、自分にも相手にもストレスなく話すためには、まず腹筋を鍛えることと(笑)、頬骨や目の周りの筋肉、鼻腔を意識して明るい声で話すのがオススメです。
みなさんもオペラ歌手の表現力に倣ってみませんか?
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