読みもの
2023.11.23
歌詞から迫る「第九」その2

「第九」の歌詞は失敗作だった!? シラーの「歓喜に寄せて」自己評価

年末の風物詩としておなじみの「第九」。第4楽章では4人のソリストと合唱によって、ドイツの文豪シラーの「歓喜に寄せて」が高らかに歌われます。このシラーの詩について、3回にわたって詳しく理解を深めていきます。
第2回では、シラー自身のこの詩への酷評を紹介します。この意外な評価から、シラーが真に伝えたかったことが見えてくるのです。

山取圭澄
山取圭澄 ドイツ文学者

京都産業大学外国語学部助教。専門は18世紀の文学と美学。「近代ドイツにおける芸術鑑賞の誕生」をテーマに研究し、ドイツ・カッセル大学で博士号(哲学)を取得。ドイツ音楽と...

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「第九」の歌詞として知られる「歓喜に寄せて」。その詩は、ドイツの文豪シラーが書いたもので、人類愛を訴える言葉は、多くの人を捉えてきた。ベートーヴェン以外にも、シューベルトやチャイコフスキーなどが、「歓喜に寄せて」からインスピレーションをえたようだ。

シューベルト:「歓喜に寄せて」

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チャイコフスキー:カンタータ《歓喜に寄せて》

ところが、シラー自身の評価はまったく異なっていた。彼にとって、「歓喜に寄せて」は失敗作だったという。

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