幕が上がる!さあ、夢の中へ~マスネのオペラ『サンドリヨン』の煌めく世界を体感しよ...
2024.09.21
シューベルト「ます」をピアノ五重奏の原曲の歌詞から読み解く〜隠された4節目の秘密
シューベルトのピアノ五重奏曲《ます》の第4楽章の有名なメロディは、同名の歌曲がもとになっています。その歌詞を書いたのはシューバルト! シューベルト×シューバルトのややこしい名前コンビが生み出したこの名曲について、歌詞から深掘りします。オーストリアの鱒事情から、シューベルトの曲には出てこない第4節の意味まで徹底解説。
山取圭澄 ドイツ文学者
京都産業大学外国語学部准教授。専門は18世紀の文学と美学。「近代ドイツにおける芸術鑑賞の誕生」をテーマに研究し、ドイツ・カッセル大学で博士号(哲学)を取得。ドイツ音楽...
鱒はアルプスの恵み
シューベルトのピアノ五重奏曲《ます》は、もっとも有名な室内楽曲のひとつ。第4楽章の軽快なメロディは、とくに広く親しまれている。「耳にすると、つい口ずさみたくなる」という方も多いのではないか。
シューベルト:ピアノ五重奏曲《ます》より第4楽章
続きを読む
どんな情景を思い浮かべながら、シューベルトはこの名曲を書いたのだろう。
シューベルトが暮らしたオーストリアは、アルプス山脈に面した国。ザルツブルクやインスブルックといった町の郊外には、息を飲むほど美しい自然が広がっている。底まで見えるほどに澄み切った川や湖では、優雅に泳ぐ鱒の姿が確認できる。
筆者撮影
週末になると、そこには多くの人々がハイキングにやってくる。大自然を満喫したあとの定番は、湖畔のレストランで味わう鱒の燻製やムニエルである。
アルプスの恵みであるマスは、人々の生活に深く根ざした魚といえる。シューベルトの《ます》には、オーストリアの豊かな風土が投影されているのだ。
鱒料理の定番、ムニエル
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2025.09.18
幕が上がる!さあ、夢の中へ~マスネのオペラ『サンドリヨン』の煌めく世界を体感しよ...
2025.09.18
ピアニスト、ダヴィッド・フレイ「音楽に仕える」精神でバッハやワーグナーに向き合う
2025.09.17
ヤマハ初の奨学生コンサートは華麗なる室内楽
2025.09.17
『ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家』巨匠の人生のすべてを最期まで
2025.09.16
ダン・タイ・ソンも称賛 16 歳の天才ピアニスト、ソフィア・リュウがヤマハホール...
2025.09.16
【取材の裏側】音楽家・阪田知樹の脳内を覗く! 『音楽の友』9月号表紙&特...
2025.09.16
昭和音楽大学オペラ公演2025《ラ・ボエーム》~学生と卒業生が総力を挙げる本格的...
2025.09.16
アラベスク:植物や幾何学図形のモチーフが連続したイスラム教圏発祥の模様