シンフォニー:交響曲でおなじみの楽語。語源はギリシャ語で「一緒に鳴っている音」!
1993年生まれ、東京都出身。2022年、第1回ひろしま国際指揮者コンクール(旧:次世代指揮者コンクール)優勝。パリ地方音楽院ピアノ科、ミュンヘン国立音楽演劇大学古楽...
オーケストラの演奏会に行くと、ほぼ必ずと言っていいほど演奏されるシンフォニー。日本語では交響曲と呼ばれます。
シンフォニーは、オーケストラのために書かれた合奏曲が多くを占めていますが、語源からもその内容がわかります。
語源はギリシア語で、「一緒に/共に」という意味のシン(σύν/syn)と、「(鳴っている)音」という意味のフォーネー(φωνή/phōnē)がくっついた言葉で、直訳すると「一緒に鳴っている音」という意味になります。
この2つの言葉は、実はみなさんの日常生活でも耳にすることがあります。シンパシーという言葉は、「シン(共に)」と「パシー(感情)」がくっついて「共感」という意味です。電話を意味するテレフォンは、「テレ(遠く)」と「フォン(音)」がくっついて、遠くでも音が聞こえるもの、すなわちテレフォンを表しています。
シンフォニーはもともと、イタリア語読みでシンフォニア、ラテン語読みでシンフォニーエと呼ばれていました。意味としては同じなのですが、使われ方に少し違いがあるので、その変遷をたどりながら違いを見ていきましょう。
シンフォニア(シンフォニーエ)と名付けられた曲は、G.ガブリエーリ(1554?〜1612)が最初に用いたとされており、それからしばらくは、歌劇の序曲や、単体の多声的な音楽として作曲されました。
G.ガブリエーリ:《サクレ・シンフォニーエ》〜カンツォーナ第2番
18世紀に入り、イタリアの作曲家J.B.サンマルティーニ(
そこで、複数の楽章を持つシンフォニアは、モーツァルトやハイドンをはじめとするウィーン古典派の作曲家がこぞって作曲するようになり、この形式を持つ合奏曲を「シンフォニー(ジンフォニー)」と区別するようになりました。イタリア語では、今でも交響曲のことをシンフォニアと呼びます。
シンフォニーを聴いてみよう
1. サンマルティーニ:交響曲 イ長調 J-C.65 〜第1楽章
2. J.C.バッハ:交響曲 ト短調 作品6-6 〜第1楽章
3. W.A.モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 KV550 〜第1楽章
4. ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67 《運命》〜第1楽章
5. ベルリオーズ:《幻想交響曲》作品14 〜第5楽章「魔女の夜宴の夢」
6. ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47〜第4楽章
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