ソナチネ:ソナタ+ina=小さなソナタ!
1993年生まれ、東京都出身。2022年、第1回ひろしま国際指揮者コンクール(旧:次世代指揮者コンクール)優勝。パリ地方音楽院ピアノ科、ミュンヘン国立音楽演劇大学古楽...
ピアノを習ったことのある方なら、きっと弾いたこともある、ソナチネ。
イタリア語で、「楽器で演奏される(曲)」の意味を持つソナタ(sonata)という言葉に、意味を弱くする-inaという接尾語をくっつけた言葉です。なので、ソナチネ(sonata+ina=sonatina)は、「小さなソナタ」のような意味になります。
ちなみに、イタリア語でソナチネは複数形で、1曲のみを指す場合はソナチナと呼びます。この記事ではソナチネという呼び方で統一してご紹介します!
ソナチネという言葉は、17世紀後半、マティアス・ケルツ(1635?〜1695)によって初めて使われましたが、この時代にソナチネという曲名はあまり使われませんでした。バッハもソナチネと題した作品は、1曲しか残していません。
J.S.バッハ:カンタータ第106番《神の時代は最も良き時代》〜第1曲「ソナチネ」
古典派の時代になり、曲としてのソナタも、形式としてのソナタも定着してきました。ちょうど同じ時期、ヨーロッパでは趣味でピアノを学ぶ人が一気に増えました。
ピアノ1人で弾く曲といえば、やはりピアノ・ソナタですが、ピアノ学習者にとって、規模の大きいソナタを弾くことは難しいです。
そこで、ピアノ学習者のための短く難しくないソナタ、すなわち小さなソナタとして、ソナチネが書かれるようになりました。
ピアノ学習者向けに書かれた曲としてソナチネが多いのは、ここにあったのです!
ソナチネを聴いてみよう
1. C.P.E.バッハ:チェンバロと管弦楽のためのソナチネ Wq.96〜第6楽章
2. モーツァルト:ウィーン・ソナチネ第1番 ハ長調〜第4楽章
3. クレメンティ:ソナチネ ハ長調 作品36-1〜第1楽章
4. サティ:官僚的なソナチネ〜第1楽章
5. ラヴェル:ソナチネ〜第1楽章
6. ブーレーズ:ソナチネ
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