読みもの
2019.02.06
編集部「食べてみた。」

シチュエーション別・バレンタインチョコ3選! チョコと楽しみたいプレイリスト付き

こんにちは!「ONTOMO」編集部です。
9月お取り寄せにつづき、2月はバレンタインにちなんでチョコレートを食べます! わかりやすい企画!
ONTOMO編集部リコメンドのチョコレートで、狙いの彼(彼女)のハートをゲット!

※当編集部ではチョコレートをプレゼントした後の結果については責任を負いかねます。

チョコレート・サミットに参加した人々
ONTOMO編集部
チョコレート・サミットに参加した人々
ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

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カカオのお茶でウォーミングアップ:ピエール・マルコリーニ「カカオティー グランクリュ」

「お飲みになる?」
「いただけます?」

とマリー・アントワネット風の会話が飛び交う一室。そう、ここはベルサイユ宮殿。ではなくて神楽坂。

試食本番の前に我々がいただいたのは、ベルギーはブリュッセルの至宝! ピエール・マルコリーニの『カカオティー』です。
カカオ豆の外皮なんだそうです。ビンの蓋を開けると、ふわっと鼻腔をくすぐるチョコレートの香り!

「え? コーヒーはカカオだっけ?」
「コーヒーはコーヒー豆です」

早速トンチンカンな会話が飛び交い、やや先行きが不安ですが、がっつりチョコレートを食べる前にお茶を楽しんでみましょう。

K「すごいチョコレートの香りがしますよ!」
S「ほんとだ! めっちゃチョコの香りだ。でも見た目は普通のお茶っぽい。味もどっちかっていうと日本茶っぽいかも」
K「ちょっと旨味成分みたいなのを感じません?」
S「昆布茶とか?」
M「香りだけだと、そこら辺のチョコよりよっぽどチョコ!」
S「コンビニに売ってるチョコとか目じゃないよね」
K「高級なチョコの香りするもん。というわけで、濃厚な香りに相応しい音楽を選んでみました」

チョコレートサミットに臨むONTOMO編集部。

ギヨーム・ルクー/ヴァイオリンソナタト長調

K「ピエール・マルコリーニはベルギーのブランドなので、ルクーのヴァイオリンソナタとかいいじゃないかなって思って。この人、24歳で若くして亡くなったんですが、シャーベットで死んだらしいんですよ!」
S「は? シャーベット?」

ギヨーム・ルクー(1870-1894)
ベルギー生まれの作曲家。チフス菌に汚染されたシャーベットを食してしまい、24歳で夭逝。
(写真:© Studio Émile Rat, Poitiers)

S「音楽さーちょっと……濃すぎない?」
W「いいじゃん盛り上がって」
K「ベルギーの宝ですよ!」
W「ピエール・マルコリーニさんは何人?」
M「1964年ベルギー生まれだそうです」
S「カカオティーは、他にどういう飲み方があるんですか?」

カカオティーの飲み方

350㏄のお湯に対してティースプーン3杯(6g)が目安ですが、紅茶のようなタンニンによる渋みはありませんのでピールの量の調整でお好みの濃さでお召し上がりください。お好みで砂糖を加えても、おいしくお召し上がりいただけます。

(パンフレットより)

カカオが南米からヨーロッパへ渡った当時、チョコレートは「飲み物」でした。

M「ミルクと砂糖を入れて飲むようになったのはヨーロッパに渡ってかららしいです。最初はコロンブスが持ち帰ったからスペインだそうですよ。フェリペ4世の娘がフランスに嫁いで、上流階級から広まっていったようです」
K「ということは、ある意味これはヨーロッパに伝わる前の味なのかな?」

1490年頃のスペインのフォリア「ロドリゴ・マルティネス」

K「ジョルジュ・サンドが毎朝ショパンのためにホットチョコレートを入れてたらしいんですけど、相当高級品だったんですって。19世紀半ばですらそれだけ高級だったんだから、当時は一部の王族・貴族しか飲めなかったんじゃないですか?」

こんなシチュエーションでいかがですか?

W「気の利いたプレゼントだね」
K「できる男のプレゼント。バレンタインって、別に女性から男性にあげるだけじゃないですしね」
S「男性へのプレゼントだと、ずぼらな人は、ティーバックで済ませちゃうかもだしね」

本店はパリ、オペラ座の目の前! ダロワイヨ「オペラ」

つづいていただくのはこちら。ダロワイヨの「オペラ」! 

コーヒー風味のバタークリーム、ガナッシュ、チョコレート、グラサージュと、7層からなるチョコレートケーキ。

K「あー美味しー! 久しぶりに食べた!」
S「おフランス帰りのK氏はよく食べてたんですか?」
K「いえ、パリにいたときは一度も食べたことないです。高いから……」

「オペラ」という名前の由来は、パリのオペラ座。一番上にちょんと金箔が載っています。
オペラ座の建物と比べてみよう。……金箔が表しているのは、これだ!

K「1875年にオペラ座の近所にあるオペラ・コミック座で初演されたのがこれだったんですよ!」

ビゼー/《カルメン》序曲

W「オペラ・コミック座? オペラ座じゃないの? なんでちょっとずらしてきたの?」
K「オペラ座って創立から何回か建物が変わっているんですけど、今のオペラ座の形(ガルニエ宮)になったのが1875年なので、1875年に初演されたカルメンです」

なるほど? いやガルニエ宮のこけら落とし公演とかないの?

ありました。

レオ・ドリーブ/バレエ音楽《シルヴィア》

K「いいパリ土産なんじゃないですか?」
W「どこで買ったの?」
S渋谷の東急本店の地下ですね」
K「……手に入りやすいものじゃないとプレゼントできないじゃないですか!」

日本国内各店舗でどうぞ! でも日持ちはしないので注意です。

こんなシチュエーションでいかがですか?

S「夜景の見える素敵なホテルのレストランでディナーでもして、すっと差し上げる」
K「シチュエーションこみこみですね!」
W「外箱も渋いし、大人のバレンタインに良いんじゃないでしょうか」

パリからウィーンへ! DEMEL「ザッハ・トルテ」

ザッハ・トルテといえば、ウィーン名物。ホテル・ザッハで極秘に受け継がれてきたレシピがデメルに伝わったんだとか。

K「ホテルザッハが建っていたところには、ケルントナートーア劇場というのがあって、ここで亡くなった作曲家がいるんです。まさかの!」

ヴィヴァルディ/《四季》より《春》

一同「まさかの!」
K「イタリア人のヴィヴァルディが亡くなった場所で、ウィーン名物のザッハ・トルテが生まれました」

で、お味のほうは?

W「あまい」
M「ストレートな甘さって感じですね」
K「どしんした甘さが、いいよね。ブラックコーヒーと一緒にいただいたら最高でしょうね」

重鎮グルメ評論家、おフランス帰りのK氏。

W「普通のチョコより甘いよね」
S「わたしチョコレート党なのでまだいけますね」
W「プレゼントというより、家庭的かもね。一緒に食べよっていうか。友達の家に手土産を持っていってとか」
M「疲れたときに脳にストレートに響く甘さでした……」
S「ブドウ糖かい」
W「中毒性のある糖分はすぐテンション上がってすぐ落ちるよ」
K「毎朝ホットチョコレートを飲んでいたショパンは、凄く甘いものが好きだったんですね……」
S「がっとテンション上げて曲書いてたんでない?」

こんなシチュエーションでいかがですか?

M「好きな人にプレゼントというより、おうちで食べるのにいいですね」
K「家族だけじゃなくて、親密な関係で一緒にいただきたい」

ウィーンに行ってきました!「モーツァルトクーゲル」

ラストは、ウィーンの定番土産、モーツァルトクーゲル。モーツァルトの顔がプリントされた包装紙に包まれています。
ちなみに「クーゲル」は「玉」の意。モーツァルト玉!

W「どの顔がいいですか?」
K「間抜けなの」
M「眉間に皴よってるやつにします」
S「じゃあ自分は上目遣いっぽいやつ」

モーツァルトクーゲル(1個ずつちょっと顔が違う気がする)と、編集部Mがモーツァルトのワークショップでウィーン大学の教授からいただいた大切なスプーン。
真剣に選ぶ編集部員たち。だって顔が違うんだもん。

K「モーツァルトのオペラに、チョコレート(ショコラッテ)が出てくる箇所を発見したんですよ!」

モーツァルト:《コジ・ファン・トゥッテ》1幕8場~9場 

内容

【デスピーナ】
(ショコラッテをかき混ぜながら)
何てミジメな人生なのかしら
メイドなんて!
朝から夜まで
汗だくで働いて それで
結局自分のためになんか何にもなりゃしない
これだって半時間かき混ぜて
ショコラッテはできたけど あたいが貰えんのは
香りをかぐことと渇いた口だけよ?
あたいのとは違うってことですかね
ああ お上品なお嬢さま方の口は
あなた様方に中味を差し上げて あたいには匂いだけですか?
くやしいから 味見してやるわ!
うまいじゃん!
(口を拭う)
誰か来るわ
まずい お嬢さま方だ!

第9場
デスピーナ 絶望して入って来たフィオルディリージとドラベッラ

<レシタティーヴォ>
【デスピーナ】
(トレイ上のショコラッテを差し出して)
お嬢さま方 朝食でございますことよ
(ドラベッラは床に全部投げつける)
あれまあ 何をなさいますか?

【フィオルディリージ】
ああ!

【ドラベッラ】
ああ!

オペラ対訳プロジェクト』より

K「久しぶりに食べた! これはマジパンの甘さかな」
S「最後に食べたのいつ?」
K「誰かのお土産……? ウィーン土産以外で食べないよこれ」
S「私はウィーン土産を買ってくるような友達はいない!」
W「なんかなつかしい味。ヨーロッパ土産のチョコの味だよね」
S「でもこれバレンタイン的にはどうなんでしょう」
W義理チョコだね」
一同笑
W「だってこのパッケージで『好きです!』って言われても、ネタかよって感じじゃない? どこで買ったの?」
S通販です!(※ウィーン土産ではない)」
W「これを本命にいただいたらどうですか、Kさん」

と、試食会出席者で唯一の男子に話を振る編集長W

K「モーツァルト好きってわかってて話が早いなって感じですね! ……やっぱり義理だな」
M「相手がモーツァルト好きであることをリサーチしたうえで」
S「うーん。やっぱり『ウィーンに行ってきました!』って感じ」
K「職場の人に一つずつ配るみたいな」
一同義理だね」
W「モーツァルトの顔も肖像画とちょっと違うし、ネタっぽい感じがする。クラシックファンの男の子に……エールを送る……?」
K「はげましチョコ」
S「好きな男の子を音楽室に呼んで、モーツァルトのピアノソナタ弾いて、ピアノの蓋あけたら出てくるみたいな」
W「空気の読めない男子が曲を作ってプレゼントする空気感」

こんなシチュエーションでいかがですか?

一同「うーん…………義理かな…………」
W「合唱の伴奏とかで、急に目立つ男の子とかいるじゃん。そういう子に、『見てたよ』って」
M「普通にモーツァルト好きの男性を落とすためじゃダメなんですか?」
K「自分相当モーツァルト好きですけど…………落ちませんね!」
W「すでに友達として成立してるけど、もう一歩進めたいときにあげる。もし失敗しても友達に戻れる」

結論。一緒に笑い合いたい人はこれ!

K「そういうリレーションシップもありかと」

「ONTOMO」編集部のチョコレートを食す会、違った、編集会議の模様をお届けしました。
大切な人と素敵なバレンタインをお過ごしください!

チョコレート・サミットに参加した人々
ONTOMO編集部
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