週刊「ベートーヴェンと〇〇」vol.8

ベートーヴェンとワイン

読みもの
2020.02.03

年間を通して楽聖をお祝いする連載、「週刊 ベートーヴェンと〇〇」。ONTOMOナビゲーターのみなさんが、さまざまなキーワードからベートーヴェン像に迫ります。
第8回は、ベートーヴェンとワイン。ハイリゲンシュタットでベートーヴェンが過ごしていた住居は、美味しい料理とワインを楽しめるワイン酒場になっています。

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写真:筆者(メインビジュアル:マイヤー・アム・プファール・プラッツ) 取材協力:ウィーン市観光局
ベートーヴェンを祝う人
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄
ベートーヴェンを祝う人
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター
1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

ベートーヴェン、ワインをガブ飲みする

ベートーヴェンの死因は、アルコールによる肝硬変だとされている。きっとウィーンの美味しいワインをしこたま飲んでいたに違いない。当時はワインの甘味料として、なんと鉛を入れるのが流行っていたそうだ。彼の毛髪を鑑定したところ、通常の40〜100倍という尋常ではない鉛の数値が出たという。ベートーヴェンはワインをガブガブ飲むことで、同時に鉛中毒も引き起こしていたのだ。

ハイリゲンシュタットの「ベートーヴェン・ミュージアム」に展示されているベートーヴェンの毛髪

その昔、ウィーンはぐるりと葡萄畑に囲まれていた。というのもローマ帝国時代からウィーンではワインが作られており、兵士たちは1日に2リットルはワインを飲んでいたという(今よりも弱いワインだったそうだが)。今もウィーンには700ヘクタールの葡萄畑があり、「ホイリゲ」と呼ばれるワイン酒場では作りたての新酒を楽しむことができる。

(上)ホイリゲで楽しめる料理とワイン (右)「Beethoven Symphony No.9」という名前のワイン

ベートーヴェンがハイリゲンシュタットをこよなく愛したのは、温泉や自然あふれる散歩道に加え、やはりワインもその理由にあったに違いない。この地も古くから葡萄畑が広がり、ワインを製造していたのだ。

1817年にベートーヴェンがハイリゲンシュタットの住居としていた使用していた建物が、現在では「マイヤー・アム・プファール・プラッツ」というホイリゲの名店として人気だ。テイスティングのほか、「Beethoven Symphony No.9」というワインも楽しめる。「ベートーヴェンの小径」を散歩したら、ぜひ訪れてほしい。

ベートーヴェンがハイリゲンシュタットの住居としていた使用していた建物が、「マイヤー・アム・プファール・プラッツ」というホイリゲの店になっている
「マイヤー・アム・プファール・プラッツ」の店内

「マイヤー・アム・プファール・プラッツ」ではシュニッツェルなどウィーンの美味しい料理をいただきながら、陽気な郷土音楽シュランメルの生演奏に触れることができるが、この音楽は19世紀後期に生まれた娯楽音楽なので、ベートーヴェンが耳にすることはなかっただろう。

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