ウィーンの定番グルメもバッチリ! 快適な音楽旅のためのミニ情報
クラシック音楽のミーハー代表、でもウィーンは初心者……という飯田有抄さんがレポートするウィーン旅。今回は、老舗ウィーン料理から、おしゃれカフェまで満喫した飯田さんのグルメレポと、オーストリア航空でゆく空の旅の体験レポをお届けします!
1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...
伝統的な煮込み料理 ターフェルシュピッツ
音楽の都ウィーンを旅するなら、やはり美味しい料理も楽しみたいところ。
訪れたのは名店「プラフッタ」。正統ウィーン料理とされる「ターフェルシュピッツ」を味わえるお店です。ウィーン国立歌劇場や楽友協会から近いので、ウィーンの音楽関係者が集うお店としても有名なのだそうです。
「ターフェルシュピッツ」なんだそりゃ? という私でしたが、意外なほどに親しみやすい味でした!
まずいただくのは、牛の骨とお肉と野菜をブイヨンでしっかり煮込んだスープ。細切りにしたパンケーキの上にスープを注いでいただきます。出汁がしっかり効いているけれど、さっぱりとしていて、身体に染み込むような優しいお味。
それから、メインディッシュとなるお肉。ターフェルシュピッツのお肉は、お尻と太もものあたりの部位なんだそうで。とっても柔らかく煮込んであって食べやすい。それをほうれん草のソース、りんごとわさびの合わさったソース、カリカリのポテト揚げ、魚介のホワイトソースなどと一緒にいただきます。
味が濃すぎず、やわらかいので、こちらもすいすい食べてしまう。気付けば、とんでもなくお腹いっぱい。一人前でもかなり食べ応えのある量なのです。
お店の人から「トクモリ アリガト!」と言われました。トクモリ? 日本から来たお客が「特盛より多いね」と言ったらしく、それで覚えた日本語だよ! とのことでした。
世界一有名なチョコレートケーキ ザッハトルテ
続いては、甘いもの。ウィーンでもっとも有名なスウィーツといえば、チョコレートケーキの王様とも言われるザッハトルテですよね。ウィーン国立歌劇場の隣に位置するホテル・ザッハーがその発祥の地で、そのレシピは1832年から伝わるものなのだそうです。知らなかった!
ホテル内にあるレストラン「ローテバー」は、真っ赤な壁紙、ソファ、絨毯、そして美しいシャンデリアの趣ある空間。こちらで濃厚なザッハトルテとコーヒーを楽しみながら、オペラの開演時間までゆっくりと過ごすのはいかがでしょう。ちょっとセレブ感。
コーヒーも美味しいウィーン
こちらは、クリムトやシーレら分離派の芸術家たちが集ったという、1899年創業のカフェムゼウム。金色の月桂樹が美しい分離派会館からすぐ近くにあります。
ウィーンといえばカフェ文化の発祥の地とも言われ、コーヒーの種類がとても豊富!基本はエスプレッソ・ベースのようですが、ミルクの泡が乗ったマイルドなメランジェや、ホイップクリームがたっぷり乗ったもの、わりとしっかりリキュールが入っているものなどが、華やかにコーヒーテーブルを彩ります。
↑パイのような食感の生地でリンゴを巻いた、アプフェル・シュトゥルーデル。
伝統的なこちらのカフェで私が注文したのは、トルココーヒーです。ウィーンなのにトルコ? はい、これはウィーンで長きにわたって愛飲されている伝統的なコーヒーなのです。
その昔、ウィーンは16世紀と17世紀の2度にわたってオスマントルコに包囲された歴史がありますが、敵から伝えられた飲み物を自分たちのスタイルで楽しむようになったのですね。豆から煮詰めたコーヒーが、小さな銅鍋ごと登場。うわずみだけをいただくのですが、濃すぎることもなく飲みやすかったです。ホイップクリームの甘さなどが苦手な人にはおすすめ。
ウィーンっ子の自慢、水道水
ところで、ウィーンに到着した最初の夜に、ウィーン市観光局のフェレーナ・ハーブレさんから、「ウィーンではペットボトルの水を買う必要はないわよ。ぜひ水道水を飲んでみて! とっても美味しいから」とかなり力強く言われました。
ウィーンの蛇口から出てくるのはアルプス地方の新鮮な湧き水なのです。「水は平等、みんなのもの」というウィーンっ子たちご自慢の水道水は、本当に清らかで飲みやすく、ホテルの部屋でも気楽にたくさん飲みました 。一般家庭の水道代は、とてもお安いのだそうです。
一方で、スーパーやドラッグストア、レストランやカフェなどで買ったり注文するお水は、炭酸水がわりと主流。これがまた、とても美味しいのです! フランスや日本でよく出る炭酸水「ペリエ」の硬質な味わいが、私はちょっとニガテだったりするのですが、ウィーンで一般的な「フェスラウアー」という炭酸水は、とても口に合いました。「水が合う」という言い方がありますが、飲み水が口に合うと、街そのものの居心地もとてもよく感じるから不思議です。
ウィーンでは甘いシロップなどをこの炭酸水で割って飲むことが多いらしく、滞在中に何度も飲みましたが、いつ口にしても幸せな気持ちで満たされたのでした。
写真のボトルは「ohne」=炭酸なし。
今っぽいウィーンの姿
居心地のよいウィーンではありましたが、街中を歩いていると、とにかくよく目についたのが電動のキックボードでした。実はウィーンだけではなく、フランスのパリやドイツのフランクフルトなど、ヨーロッパのいろいろな都市で急激に流行っているそうです。ちょっとした移動手段として提供されているシェア・サービスなんですね。スマホのアプリから、ユーザー登録をすれば、誰でも使用可能になるというもの。
ウィーンは自転車道などがわりと整備されているので、比較的走りやすいのかもしれませんが、石畳やトラムのレールで凸凹なところも多いので、けっこう怖そうだなぁ……という印象。でも若い人たちは、かなり便利に使い倒している様子。あちこちに乗り捨てられていることもあって、マナー的なところはこれからなのかもしれません。
さらに、街歩きをしていて気がつくのは、とにかく工事現場が多いこと。どこもかしこも、工事! 工事! 工事!
「音楽の都ウィーン」というと、古式ゆかしい旧市街の街並みがイメージされます。しかし、思いの外に多く見られたあちこちの工事現場の姿からは、新しく成長し続けようという「今のウィーン」のエネルギーを感じさせられました。
オーストリア航空でゆくウィーン
搭乗機にはヨハン・シュトラウス2世の「美しき青きドナウ」の楽譜があしらわれ、その音楽とともに乗り込む……そんな気持ちの上がる空の旅を、オーストリア航空の直行便が提供してくれました。
優雅な空の旅が楽しめそうです。
フライトはおよそ12時間。オーストリア航空のプレミアムエコノミーを利用すると、ノイズキャンセリング・ヘッドフォンがアメニティとして配られます。長時間フライトでは、飛行機のノイズで気がつけば耳疲れしているもの。これはとても嬉しいサービス。
→ゆったりとした座席で、ウィーン旅行のイメトレもばっちり!
エコノミークラスより若干広めのシートは、リクライニングの角度が40度まで。足元も広めです。陶器のお皿、プラスチックではないフォークやナイフでいただくのは、Do & Co という人気のケータリングサービスのお料理。12インチのモニターで映画や音楽を楽しみながら、ゆったりと過ごせます。
東京・成田からウィーンまでは、オーストリア航空の直行便で約12時間。
(2020年は3月14日から運航開始)
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