「モーツァルトの再来」!　作曲もこなす16歳の天才ピアニスト　ツォトネ・ゼジニゼ再来日

ジョージア出身で現在16歳のピアニスト・作曲家のツォトネ・ゼジニゼが、昨年の日本デビュー・リサイタルに引き続き、11月に待望の再来日を果たす。

ゼジニゼは5歳から祖母でピアノ教授のニノ・マムラツ（世界的なピアニスト、エリソ・ヴィルサラーゼの従姉妹にあたる）のもとでピアノを、独学で作曲をはじめ、9歳で早くも初のピアノ・リサイタルを開催。

2022年から3年連続で格式高いヴェルビエ音楽祭にソリストとして招待され、バレンボイムから「21世紀のモーツァルト」と評されたことで話題になった。その前年には、自作曲「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」がリサ・バティアシヴィリ（ヴァイオリニスト）との共演で初演されている。

2023／24シーズンにはオランダ、ブリュッセル、ルツェルン音楽祭でバティアシヴィリとリサイタルを行なったほか、エルマウ城でバティアシヴィリ、イェルク・ヴィドマン（ドイツの著名な音楽家）と共演。

2024年には、2度にわたるサイモン・ラトルとの共演（シェーンベルク「ピアノ協奏曲」）や、ルツェルン音楽祭へも出演し、2025年1月にはザルツブルクのモーツァルト週間で委嘱作品「交響曲第1番」が世界初演されるという快挙を成し遂げた。このように、10代の前半からすでにピアニスト、作曲家としてヨーロッパの楽壇に注目される存在となっている。

昨年行なわれた初来日リサイタルでは、自作とシューベルト「4つの即興曲」作品90、ラヴェル《夜のガスパール》を披露。自然体で難度の高い箇所も楽々とこなし、自作でも内面を吐露するような情感豊かな響きを生み出した（『音楽の友』2024年8月号）。

今回のリサイタル曲目は、シューベルト「ピアノ・ソナタ第20番」やベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第28番」、ブラームス「ピアノ・ソナタ第3番」など重厚なプログラム。あわせて自作曲も披露されるのがゼジニゼならではだ。

16歳にして、ダニエル・バレンボイム（指揮者・ピアニスト）やイェルク・ヴィトマンなどから「今世紀でもっとも優れた才能を持つ音楽家の一人」と称賛される独自の才能を、ぜひこの耳で確かめたい。