読みもの
作曲家・助川敏弥の没後10年を悼む~ピアニストを魅了する繊細で透明な作品世界
音楽の喜びを分かち合うこと、つまり教師にとっては与える喜び、生徒にとっては学ぶ喜びがそれにあたるわけだが、この分かち合いこそ、両者の努力と忍耐にたいする褒美である。このよろこびは、人生を満たしてくれるだろう。
ピアノを演奏する際の自由さ、体の柔軟性、音量のバランス、音のみがき方、身振りやバランス、椅子の座り方にいたるまで、ありとあらゆる項目を克服する方法を記した本書の序文より。ファシナはピアノ教師が注意深く、自らの欠点や過去の絶望さえも思い出しながら、生徒と日々探求し、絶えず学ぶことが重要だと語っています。
幼少よりパリ国立高等音楽院に学び、ポーランドにてパデレフスキの弟子ヘンリク・シュトンプカの指導の下で、パデレフスキの芸術観を受け継ぐ。ここでの数年間は、ジャン・ファシナのその後の経歴に決定的な意味をもっている。彼は、1961年から1975年にかけて、西欧諸国、旧ソヴィエト連邦諸国を含む東欧諸国のほとんどの国、またカナダ、アメリカ合衆国、そして日本において、比較的短いながらも集中的なコンサート活動を行った後、その天職である教育活動に人生を捧げている。サルッツォ音楽高等アカデミー、および、ニース音楽アカデミーの教授をつとめるとともに、ワルシャワのショパン音楽院、ジュリアード音楽院、パリ・エコール・ノルマル音楽院などのマスタークラスのほか、ポルト、ブリュッセル、ブカレスト、北京、東京、大阪諸都市の各大学や音楽学校にしばしば招致されている。







