ASKA、クラシックへの深い愛とリスペクトを語る
1979年のデビュー以来、国内外で革新的なステージに挑み続けているヴォーカリスト、ASKA。いよいよ新しいコンサートシリーズのグランドフィナーレとなる「GET THE CLASSICS ASKA PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2022 TOKYO」が10月29日に開催される。オーケストラの奏でる音楽と溶け合って、豊かなヴォーカルがいっそう心に響く。感動が記憶に新しい“ASKA×バンド×弦楽アンサンブル”による公演「ASKA premium concert tour –higher ground–アンコール公演2022 Bluray+Live CD」も振り返りながら、オーケストラや弦楽アンサンブルへの想いをASKAにインタビュー!
ASKAとクラシックの幸せな融合
日本屈指のヴォーカリスト、ASKA。近年のソロ活動ではオーケストラとの共演も多く、2022年1月から4月に行った全国ツアーでは、バンドと弦楽アンサンブルの共演という豪華なステージングを披露している。
1979年に「ひとり咲き」でデビュー。「SAY YES」「YAH YAH YAH」など、数々のミリオンヒット曲を世に送り出す。音楽家として楽曲提供も行う傍ら、ソロ活動も並行し、1991年「はじまりはいつも雨」がミリオン・セールスを記録。国内外からも多くの支持を得る。2018年には全国各地のオーケストラと共演、2020年からASKAバンドと15名のストリングスとの三位一体コンサートも開催し、表現の幅をさらに広げている。
映画音楽やラフマニノフに育まれた、唯一無二のドラマティックな音楽性
そんなASKAに、クラシックのアーティストやクラシック音楽そのものへの思い入れをうかがった。その最初の「クラシック体験」は幼少期までさかのぼるようだ。
ASKA 「子どものころ、小学校の音楽の授業で、クラシックのレコードを聴くだけの時間があって、それが大好きだったんだよね。45分間、聴くだけ。あの低音はコントラバスだったのかな、教室の窓を震わせていてね。あの音響、いまでもよく覚えています。
そのミュージシャンの音楽を聴くと、これまで何を聴いてきたか背景がわかる、って言うじゃないですか。僕はいろいろな人から、『何聴いてきたの?』ってよく言われたんです。
で、考えてみると、音楽を志したきっかけは井上陽水さんだったんだけど、それからしばらく映画のサウンドトラックを聴いている時期があった。ミシェル・ルグランの『シェルブールの雨傘』だとかラロ・シフリンの『燃えよドラゴン』だとか、たくさん好きで聴いていました。映画音楽ってオーケストラやクラシックをルーツにしている楽曲が多いですよね。
あと、自分で作曲を始めるようになってから、僕はデイヴィッド・フォスターにとても影響を受けたんだけど、彼の音楽を聴いていたときと同じころだったかな、『ある日どこかで』っていう映画を通してラフマニノフに夢中になった。劇中で流れる曲がどれもとにかくすばらしい。
きっと、子どものころからそうしたエッセンスをいろいろ取り込んで、いまの自分の音楽はあると思う。自分はかなりコード進行に気を付けてこだわるほうですが、そうした感覚にもきっと影響を与えているんじゃないかな」
リスペクトするオーケストラの音と「混ざる」ために
オーケストラとの初めての共演は2005年。服部隆之の指揮によるものだったが、ポップスのアーティストとオーケストラとの共演がめずらしくなくなった今日とは異なり、当時はあまり前例のないチャレンジであった。
ASKA 「事前の打ち合わせをさせてもらったとき、いろいろ話していても、まずイメージをつかめなかったことをよく覚えています。ステージでリハーサルをする段階でも、マイクの音量や数、反響板の位置、すべて手探り。
でも、それが大成功して、それから何度も日本、アジアのオーケストラと共演させていただきました。それまでレコーディングでも、ストリングスやオーケストラが加わると毎回ものすごい感動をもらっていたんですが、ライヴは格別。これ以上の良さはないかもしれない。だから、僕はいつも、クラシックの演奏家のかたがたには絶大なリスペクトをもって、『どうすれば彼らの出す音と混ざるんだろう』ということを考えています」
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