インタビュー
2024.10.06
2024年11月6日(水)に「礒絵里子&Friends」Vol.1開催

礒絵里子が挑むブラームスとドヴォルザーク〜ソロから五重奏まで室内楽の魅力を堪能

ヴァイオリニストの礒絵里子さんにインタビュー! 2024年11月6日にVol.1が開催される室内楽シリーズ「礒絵里子&Friends」について、室内楽への想いや初心者から上級者まで室内楽の魅力を楽しめるプログラムについて、詳しくうかがいました。

取材・文
山田治生
取材・文
山田治生 音楽評論家

1964年京都市生まれ。1987年、慶應義塾大学経済学部卒業。1990年から音楽に関する執筆活動を行う。著書に、小澤征爾の評伝である「音楽の旅人 -ある日本人指揮者の...

©Yoshinori Kurosawa
この記事はプロモーションを含みます。

この記事をシェアする
Twiter
Facebook

ヴァイオリニストの礒絵里子が、この秋から室内楽シリーズ「礒絵里子&Friends」を始める。11月6日に開催されるその第1回について話をきいた。

室内楽の魅力や作曲家たちの室内楽への熱い想いを伝えていくシリーズに

続きを読む

——今回始める「礒絵里子&Friends」という室内楽シリーズはどういうものですか?

 私が一緒に弾きたい方と弾きたい曲を弾くという、私のわがまま企画です(笑)。今回がVol.1で、これから、毎年、春と秋に開催しようと思っています。

Vol.1には、シリーズを始めるにあたって素晴らしいメンバーが集ってくれました。Vol.2は来年春に、高橋多佳子さん、新倉瞳さんとの椿三重奏団にヴィオラの安藤裕子さんを迎えてピアノ四重奏曲などを演奏します。そして、来年の秋は弦楽五重奏曲を予定しています。それ以降も続けていきます。

室内楽は、みんなで作り上げていくというところが魅力ですね。作曲家たちの室内楽への熱い想いを、名作を通して伝えていきたいと思っています。

 

桐朋学園大学卒業後、その才能を高く評価したI.オイストラフ氏に招かれ、文化庁芸術家在外派遣研修員としてブリュッセル王立音楽院に留学し、修士課程大賞を受賞し首席修了。マリア・カナルス国際コンクールほか国内外のコンクールで入賞。オーケストラと共演、宮崎国際音楽祭へは毎年参加、「題名のない音楽会21」「アインシュタインの眼」「クラシック倶楽部」ほかテレビ・ラジオ出演も多く、2010年よりFMヨコハマ「礒絵里子のSEASIDE CLASSIC」のパーソナリティを務めている。
ソロ活動に加え、「デュオ・プリマ」「EnsembleΦ(ファイ)」「椿三重奏団」「デュオ・パッシオーネ」など室内楽でも多彩な演奏活動を展開。一財)地域創造公共ホール活性化支援事業登録アーティスト並びに「こどものためのクラシック」登録アーティスト(ソニー⾳楽財団)としてアウトリーチ活動にも積極的に参加している。
デビュー以来11枚のCDをリリース、2020年2月に発売された椿三重奏団のCDは「レコード芸術」誌特選盤に選出された。
真摯な演奏への取り組み、確かな技量に基づいたヨーロッパ仕込みの洗練された感性には定評があり「気負いのないしなやかな活動ぶりが、クラシック音楽シーンで着実に存在感を放っている」など各媒体で高く評されている。洗足学園大学講師として後進の指導にもあたっている。

©FUKAYA Yoshinobu_auraY2

——Vol.1の出演者はどのように決めましたか?

礒 これまでがっつりと一緒に弾いたことはないけれど、前からこの人いいなと思っていた方々にお願いしました。

城戸かれんさんは、彼女が学生の頃、宮崎国際音楽祭でショーソンの「詩曲」のしっとりとした大人っぽい演奏を聴いて、そのときから気になっていました。佐々木亮さんとは20年前くらいにフォーレの弦楽四重奏曲をご一緒したことがあります。伊東裕さんは、徳永二男先生の楽壇50周年のコンサートで、ヴィヴァルディの《四季》の通奏低音を弾くのがすごくうまかったのが記憶にあり、この機会にお声掛けしました。伊藤順一さんは、CDで聴いたり、ショパン・コンクールでの演奏を配信で聴いたりしましたが、音の美しい、リリックなピアノが素晴らしいと思います。

いろいろな編成を一気に楽しめる一期一会のアンサンブル

——今回のプログラムについて教えてください。

礒 11月に自分が聴きたい曲、弾きたい曲を選びました。ドヴォルザークとブラームスは晩秋にぴったりだと思います。そして、ソロ、デュオ、トリオ、四重奏、五重奏といろいろな編成で楽しんでいただけるようにプログラムを組みました

それぞれのソロもぜひ聴いていただきたいと思いました。まず、私が「我が母の教えたまいし歌」を弾いて、かれんさんに「ユーモレスク」を、佐々木さんにブラームスの「スケルツォ」を、伊東裕さんにブラームスの歌曲を、伊藤順一さんにはブラームスの間奏曲を弾いていただきます。

そして、ドヴォルザークの「ミニアチュア」(テルツェット)からを弾きます。この曲は、私にとって思い出深い作品です。高校3年生のとき、高嶋ちさ子さんたちとカルテットを組んでいて、江藤俊哉先生の家にレッスンを受けに行ったのですが、ほかの人が来られなくて、江藤先生が「3人でこの曲で遊びましょう」とおっしゃって、江藤先生と私のヴァイオリンと高嶋さんのヴィオラで、この曲を弾きました。だんだん編成を大きくしていきたかったので、前半の最後には、ドヴォルザークの「ピアノ四重奏曲第2番第1楽章」を入れました。

後半は、全員でドヴォルザークの「ピアノ五重奏曲第2番」を演奏します。この曲は、メロディが秀逸で、それぞれの楽器においしいところがあり、全員で曲を作り上げていくように書かれているところが魅力ですね。楽章ごとのキャラクターがはっきりしているのも特徴だと思います。

——最後に、このコンサートに向けてメッセージをお願いいたします。

礒 我ながら素晴らしいメンバーを集めたという自負はあります。第1回ですので、ぜひ、多くの方々にご来場いただきたいと思っています。

ほかでは聴けないメンバーによる一期一会のアンサンブルなので、お聴き逃しのないように、王子ホールにいらしてください。

公演情報
礒絵里子&Friends Vol.1 新章、始まる~秋を彩るブラームスとドヴォルザークの妙なる響き

日時: 2024年11月6日(水)19:00開演

会場: 銀座王子ホール

出演: 礒絵里子、城戸かれん(ヴァイオリン)、佐々木亮(ヴィオラ)、伊東裕(チェロ)、伊藤順一(ピアノ)

曲目: ドヴォルザーク/我が母の教え給いし歌、ユーモレスク第7番、ブラームス/5つのリート第1曲「歌の調べのように」、子守歌作品49-4、間奏曲作品118-2、ドヴォルザーク/4つのミニチュア作品75aより第1曲「カヴァティーナ」第2曲「カプリッチョ」、ピアノ四重奏曲第2番第1楽章、ピアノ五重奏曲第2番

詳しくはこちら

取材・文
山田治生
取材・文
山田治生 音楽評論家

1964年京都市生まれ。1987年、慶應義塾大学経済学部卒業。1990年から音楽に関する執筆活動を行う。著書に、小澤征爾の評伝である「音楽の旅人 -ある日本人指揮者の...

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ