インタビュー
2021.07.03
藤木大地の大冒険 vol.12 最終回〈前編〉

井上芳雄と藤木大地、同級生の歌手対談! ミュージカルとオペラの違いや課題とは

カウンターテナー歌手の藤木大地さんが、藤木さんと同様、“冒険するように生きる”ひとと対談し、エッセイを綴る連載。
第12回のゲストは、ミュージカルや演劇の第一線で活躍する俳優の井上芳雄さん。藤木さんとは高校時代に知り合い、東京藝術大学の声楽科で同級生だった間柄。3年ぶりの対面となったこの対談の前半では、ミュージカルとオペラのさまざまな違いや課題などを語っています。

藤木大地
藤木大地 カウンターテナー

2017年4月、オペラの殿堂・ウィーン国立歌劇場に鮮烈にデビュー。 アリベルト・ライマンがウィーン国立歌劇場のために作曲し、2010年に世界初演された『メデア』ヘロル...

写真:各務あゆみ
文:高橋彩子(対談)
取材協力:classical music bar valse(東京・目黒)

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世界を照らす人へ

夜空に輝く星は、それを見上げる人にとって遠い存在であり、道しるべでもある。

ひときわ煌めく星を見上げて、いつか自分もそうなりたいと思う人、陰ながら追いかけようと決める人、ジェラシーを感じて見えないようにする人、いろいろとあるだろう。

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太陽は、まぶしくて目を開けていられないこともある。

星がまぶしくて、目がくらむようなことはあまりない。

太陽のような人は、きっとまわりをあたたかく、明るくしてくれる人。

スターは、きっと道のなかったところにも黙して道をつくる人。

大学時代、歌の師匠の恒例のクリスマスコンサートで「明日があるさ」の歌詞をかえて自分なりに歌いなさい、というお題があった。

~大学4年のクリスマス/卒業してからどうしよう/お金がない/お金がない/スターになりたいぜ~

中途半端に髪を茶色に染めていた僕が歌ったスターとはもちろん、シンデレラみたいな彼のような姿だった。客席や先生、先輩たちにはウケたけれど、やっぱり多分、ちょっとむなしかった。

こう振り返ると僕はこれまで、さまざまな立場で多くの感情を経験することができた。

自分の陽のあたる顔だけでなく、ドロドロモヤモヤとした気持ちも、そんなに隠さずに生きていけるようになった40代。

あと何年あるかわからない歌手としての時間、そして人間としての残りの時間にできることは、どうしても得ようとすることではなく、わけ合い、のこすことだと感じている。

「永遠のライバル」という言葉を贈ってくれた友に、嫉妬したことは不思議と一度もない。

その存在が星であり、また太陽でもあるからだろう。

負けず嫌い仲間としては、勝てないまでも負けないように暮らそうと思う。

誰かにだけではなく、自分にも。 

2021年 藤木大地

対談:今月の冒険者 井上芳雄さん

東京・目黒にある「classical music bar valse」にて。
井上芳雄

1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科 卒業。

2000年ミュージカル『エリザベート』皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、高い歌唱力と存在感で数々のミュージカルや舞台を中心に活躍。音楽番組への出演やコンサートの開催などの歌手活動、また司会業も意欲的に行なっている。 2021年4月からはNHK総合「はやウタ」で初めて歌番組のレギュラー司会を務めている。

オフィシャルサイト https://www.grand-arts.com/yi/

オフィシャルファンクラブサイト https://yoshioinoue.com/

井上芳雄 Topトラック

藤木大地が井上芳雄さんに訊きたい10のこと

Q1.  福岡県のご出身(香川県生まれ)です。小学4年生のときに劇団四季『キャッツ』を観てミュージカル俳優を夢みるようになった井上芳雄さんですが、自力でチケットが買えない(劇場に行くチャンスのない)子どもたちに観劇や鑑賞の機会を持ってもらうために考えていること、行なっていることはありますか?

井上 舞台はチケット代が高いので、実際に劇場に来てくださる方は、一定の年齢層の人が多いです。子どもや若い層に観てもらいやすいものではないですよね。僕が舞台を20年間続けること以外に何かやっているとしたら、テレビなどに出て、「ミュージカルってこうなんだよ」と知ってもらうことでしょうか。子ども番組にも出てみたいな。

藤木 ご両親は、ミュージカルが好きだったんですか?

井上 両親は、嫌いではなかったですが、特別に好きというわけでもなかった気がします。音楽は好きで、芸術全般、一般常識的に見ているという感じだったかもしれません。

藤木 でも、芳雄自身は、そういう芽があって、そこから今のキャリアまでつなげたわけですね。

井上 その点に関しては一途ですから(笑)。簡単なものではないし、誰もが実現できることではないので、余計に熱い気持ちを持ってやらなければならなかったんだと思います。そういう対象に出会えたのは幸せなことですよね。

藤木 ミュージカル俳優を目指す過程でもデビューしてからでも、違う仕事をしたいと思ったことはないんですか?

井上 それはないですね。才能があるかどうかは自分ではわからないから、できないのかなと思ったことはあるけれど。ミュージカルは歌、踊り、お芝居という「×3」で成り立っていて、その一つひとつに適性があるかどうかということに直面するので、恐怖はいまだにあります。全部がパーフェクトにできればいいけれど、なかなかそうもいかない。

やっぱり歌のほうがいいなとか、踊りはちょっと苦手だなとか、お芝居は難しいなとか、いろいろあって、努力できるところからしているけれど、どこかで開き直らないとやっていられないところもあります。

藤木 じゃあ、“自分”という総合力で勝負?

井上 どうして勝負しているかはわからないけれど(笑)、向いているかどうかなんて誰にも決められないと思いつつ、そことのせめぎ合いはずっとあります。

藤木 あとは、好きか好きじゃないか、好きでい続けられるかでしょうか? 

井上 そうですね。人間だから、今日はすごく元気で機嫌がいいけど、別の日はテンション低くてやる気が起きないみたいな日もある。それでもやりたいと思えるか、努力できるか、というところかなあ。

Q2. ずいぶん前ですが、オペラ歌手の卵であった僕がミュージカルを観に行ったときのこと。ご挨拶させていただいた公演関係者の方に「オペラの人はミュージカルなんて…って思ってるでしょう」と言われたことを覚えています。僕は芳雄のデビュー公演で初めて観てからずっとミュージカルが好きですが、両業界の考えの根底にそういう別物として捉える印象があるとして、お互いがお互いを理解して、将来的に客層をシェアして発展していけるような方法はないでしょうか?

2001年4月、ミュージカル『エリザベート』公演の楽屋にて、井上芳雄が演じたルドルフ大公のポーズ?をとるふたり。2000年の初演にも、もちろん応援に行きました!

井上 僕自身、一応声楽科に入って勉強したのでクラシックが遠いというわけではないけれど、もともとミュージカルがやりたい、というところからスタートしたので、本当の意味でクラシックを突き詰める情熱はそこまでなかったんです。

そもそもクラシックは、オペラのアリアにしても歌曲にしても、歌うに至るまでのハードルがすごく高い。会得するのが難しいし、言語もいろいろな外国語で歌わなければならないし。僕たちは10代前半からそうやって意味がよくわからないまま(笑)イタリア語で歌い続けてきたけれど、それってすごいことだよ。英語で歌うのだって難しいところを、さらにドイツ語、フランス語……って。それだけ研鑽を積まないといけない世界なわけだよね?

もちろん、ミュージカルにも多少そういう部分はあるけれど、もう少しポピュラー寄りというか、良くも悪くも間口が広い。だから、クラシックに対するリスペクトはあります。

藤木 僕は逆に、踊りも芝居もできなければいけないミュージカルのほうが難しいと思っていて。身体能力や見た目の美しさも必要になってくるじゃないですか。

一方オペラは、僕がオペラ歌手だと紹介されると「もっと太っていなくていいんですか」と言われたりする。オペラ歌手というとそういうイメージですよね。

井上 大地がミュージカルを好きだと言ってくれたように、僕たちくらいの世代からは、クラシックだから、ミュージカルだからっていう垣根はないほうがいいって思ってやってきた気もしますね。少し上の世代までは、それぞれ自負があって、先生たちの中には、ミュージカルは良いと言ってくださった方もいたけれどミュージカルは駄目だと言っていた方もいたし、ミュージカルのほうの人も、こうあらねばならないというのが、ある時期まで強かったかもしれない。でも、もっと意識が変わっていってもいいですよね。

藤木 芳雄が宮崎の国際音楽祭に出てオーケストラと一緒に歌ってくれたことがありましたが、あれはすごく大きいことだと思うんです。

井上 自分にできるかどうかという問題はあるけれど、機会さえあればまたやってみたいですね。

藤木 頼もしいです。『夢をかける』(日経BP/2020年)という著書を読ませてもらいましたが、プロとしての準備の仕方や心構えが書かれていて背筋が伸びました。舞台に立つ人なら必読です。

井上芳雄『夢をかける』(日経BP/2020年)
ミュージカルを中心に様々な舞台で活躍する一方、歌手やドラマなど多岐にわたるジャンルで活動する井上芳雄のデビュー20周年記念出版。NIKKEI STYLEエンタメ!チャンネルで月2回連載中の「井上芳雄 エンタメ通信」を初めて単行本化。コロナ禍の逆境のなかでデビュー20周年イヤーを迎えた井上が、何を思い、どんな日々を送り、未来に何を残そうとしているのか。明日への希望や勇気が詰まった1冊。

藤木 出演されたNHKのテレビ番組『あさイチ』でも、後輩の皆さんが「芳雄さんが道を作ってくれたから自分たちも頑張る」と言っていましたよね。

井上 ありがとう。後輩のためだけを思ってやってきたわけではないから、結果的にそうなっているのは嬉しいです。他の人が見て「ミュージカル俳優がここまでやっていいんだ」「あの人は成立させてるな」とわかるだけでも違うと思うから、そういう意味では先陣を切ったところもあるかもしれない。

でも、大地もそうかもしれないけど、この人と同じようにやればいいというお手本は、ある気がしていたけれど実はなくて、これから先はますますなくなっていくだろうから、自分で一つひとつ失敗を繰り返しながら、こういうときはこうすればいいのかなとか、このジャンルではこれが大事なのかなと、日々、発見・発明していくしかないと最近では考えています。

Q3. ご著書『夢をかける』に、「今は横のつながりを大事にして手をたずさえて頑張るときだ」と書かれています。日本のオペラ界の体質として、まず「所属のオペラカンパニーはどこか」という話題から始まり、所属如何によって活動が限定的になる傾向があり、僕は何だか閉鎖的に感じて残念に思っています。ミュージカル、演劇、芸能の世界にもそういった課題は感じますか?

井上 僕自身はどこに入っているわけでもなくフリーなのですが、別の劇団の人に「今度、僕の番組に来て歌ってもらえませんか」と言うと、本人は「ぜひ」と言ってくれてもなかなか実現しなかったりということはあります。

やはりどこも、自分たちがここまで自分たちが作り上げてきたという自負があるだろうし、そうしないとやってこられなかったという事情もあるから、それをなくしてしまったら立ち行かなくなるのではないかという不安があるのでしょう。

でも、そういうものを手放したとき、得るものがそれ以上にあるとわかれば、変わっていくと思う。今回のコロナでそんなことを言ってる場合じゃないという感じにもなってきましたし。それぞれの組織の個性・特徴はあっていいけれど、鎖国状態ではなく、みんなで手をつないでやっていったほうがいいとわかってきたところもあるから、良い方向に向かうといいですね。

藤木 芳雄は「ミュージカル界の広報部長だ」と自分でおっしゃっているように、やっぱり今、先頭に立つ立場、みんなを引き連れる立場だと思う。

井上 引き連れて……。でも、一人だからなあ。

藤木 だけど、上の世代は芳雄を可愛いと思っているだろうし、後輩も芳雄を目指していて、恐らく超えたいと思っている。だんだん真ん中の年齢になってきて、どちらにも作用できるところにいるわけですし。

井上 自分がフリーだということと、あとは多少弁が立つというか、言いにくいことを言ってもシリアスになり過ぎないタイプだということは大きいかなあ。これはこうですよねとか、こっちのほうがいいですよね、というのは言いたいし、言える立場にもなってきたなとは思う。やっぱり年齢も大きいかもしれないですね。特に、ミュージカル以外のジャンルに自分が行ったときのやりにくさや苦労は、今考えるとほとんど、自分が若過ぎたり経験がなかったりしたのが原因。だから、40代で楽になったよね。

藤木 年功序列の考え方が邪魔したということ?

井上 それもあるでしょうし、性格的にわきまえちゃったり、ペーペーだからこんなこと言っちゃ駄目だなって自制したり。でもこちらが年を取って厚かましくなってきて、言ったほうがいい場合もあることがわかってきたら、立ち回りやすくなりました。

藤木 年齢の話で言うと、僕は物覚えが悪くなったり、あと体が動かなくなってきました。ダンスなどは、どうですか?

井上 身体は動くんだけど、疲れるようになったし、動かすための準備は前より大変になっているのかもしれません。でも、20代より今のほうが忙しいから単純比較はできないというか、年取ったから疲れてるのか、あのときより忙しいから疲れているのか……。忙しいからだと言い聞かせてるけど、確実に食べて飲んだ分だけ体につくね(笑)。

藤木 声はどうでしょう?

井上 日々メンテナンスをしているから、前より出る感覚はあるかな。お芝居の2回公演をこなし、帰ってきた翌日にコンサートで歌だけ歌うというようなときは、明らかに疲れているのを、歌の喉にしなくてはならない。そういうふうに、日によってやることが違うから、そこに心を砕いています。

藤木 でも、お酒は毎晩飲むんだよね? 次の日に影響が出ないように考えて飲んでいますか?

井上 後悔する量は飲まない。これくらいなら大丈夫かな? と見計らって飲んでいます。でも、やっぱり後悔するんだけど(笑)。

藤木 僕の場合は時間なんですよ。12時を越えなければ、次の日にあまり影響がないことがわかってきて。12時を越えると結果的に、量にも関わるし睡眠時間にも影響するじゃない?

井上 大地は強いもんね。僕も弱くはないけど、綱渡りというか(笑)。でも、どこかで調整はしていて、明日はこれがあるからここまではだめだとか。表現というのはいろいろな形があって、うわーっと出し切るだけがすべてではないこともわかってきたので、この前はこう行っていたのを今度はこっちから行ってみようといった具合に、状況に合わせて必死で工夫していますね。

藤木 演劇もミュージカルもオペラやクラシックと比べて公演数が多いから、毎日試すことができるのはうらやましいなと思う。オペラのマーケットはそこまで大きくなくて、昨年出演した新国立劇場の『夏の夜の夢』の5回公演でも多いという感じだったから。

井上 クラシックは基本的にマイク使わずにやるから、全然消耗が違うんだろうしね。でも確かに、長期公演だと、「趣味は発明です」みたいな感じが強くなる。

藤木 舞台上で?

井上 そう。ある意味では毎日、危機的状況と言っても過言ではないんですよ。今日は全然声が起きないな、とか、(喉の)右だけ腫れているな、とか、高い音が出ない、低い音が出ない、とか。

でも、マイクを使うし音量やピッチを変えることも多少はできるから、何かしらの方法を探して、それが引き出しになって、なんとかやれているんだと思う。

藤木 ほかに、オペラとミュージカルで、稽古のしかたや演技の違いというと何があるのかな?

カウンターテナーは、妖精や幽霊の役など現実にいない存在を演じることが多いから、役作りも、その人物になりきるというより、相手役との関係や楽譜に書かれた歌詞から役を考えたり、あとは原作からオペラでどこがカットされているのかを見て、カットされてる部分を埋めながら演じることが多いですね。

2015年9月、芳雄が初めて生で僕のカウンターテナーの歌声を聴いてくれたとき。同じくコンサートに来てくれた大学の同級生たちとの集合写真。

藤木 芳雄はだいたい人間の役でしょ? トート(※ミュージカル『エリザベート』の黄泉の帝王役)とかはあったけど。

井上 そうだね。クラシックは歴史がある分、学術的な面もあるよね。ミュージカルにもそういうところがなくはないけれど、基本的には歌や踊りを身につけて、考えなくてもできるようにするということ以外は、お芝居の稽古と一緒ですね。演出家がやりたいことに沿って、役として舞台上に立てるようになるまで試行錯誤を続ける。それを毎回繰り返してるだけというか。

オペラでは、稽古初日までに自分で音を取って暗譜する?

藤木 そうだね。ミュージカルは違うの?

井上 ミュージカルでは、初めは歌稽古から。僕は割と音を取って行くけれど、譜面が読めない人もたくさんいるから、弾いてもらったものを録音して自分で聴いて覚えてくる。

藤木 じゃあ、稽古場には真っ白で行けるってこと?

井上 人によるけど、それでも怒られはしない。自分で準備できない人もいるからね。もちろん事前にCDを聴くくらいはできるけど。

僕はソルフェージュがダメだったけれど、ミュージカル界では音が取れる男ですよ。そこはクラシックの名残があって。

藤木 歌稽古開始から初日まで、どれくらい稽古期間はあるんですか?

井上 新作ミュージカルだと1ヶ月半~2ヶ月。2ヶ月あるとベストだと言われていますね。再演だと1ヶ月くらい。

藤木 僕らは契約上、稽古の初日には暗譜をしていなくてはいけなくて、稽古が始まる日というのは立ち稽古が始まる日なんです。初日までマックス1ヶ月、再演のときは、ウィーンで出たときは立ち稽古が2回か3回しかなくて、ステージングはそれまでにビデオで観てきて、いわゆるオケ合わせは1回もなくて。舞台稽古でオケピットにオケがいるっていうのは2〜3回あったかなという感じ。それが再演のサイクル。だからちょっと違うかも。

井上 演劇やミュージカルのほか、オペラの演出もされている栗山民也さんがおっしゃっていたけど、オペラではこういう形でやりますということをきめれば、再演は演出助手がいればその人がそれを伝えて進むから、来なくていいという契約だと。ミュージカルでは絶対来るし、再演だろうがなんだろうが、演出家が稽古して「良し」と言うことが大事なんだけど。

藤木 オペラは確かにそういう慣習がありますね。でも、僕は、再演でも時間がある限り、演出家ご本人と喋りたいかな。

井上 やっているほうもそのほうが安心してできる気がしますね。まあ、オペラ歌手にもミュージカル俳優にも、どの世界にもいろいろな人がいるから、一つのジャンルでくくるのも危険だよね。残念ながらプロでやってる人にもいろんな差があって、好みもあるだろうけど、そこをもっと自分も見極めたいし、お客さんにも知ってほしい。

藤木 あと、クラシック音楽って西洋で生まれたから、どうしても外国から来る横文字のアーティストが素晴らしいと思われていて、日本のものには行かず外国のものだけ行く観客もいるけれど、実際には必ずしも外国から来ても良いとは限らない。だからこそ僕は、やりたい仕事をするためには、外国で舞台を経験しないといけないと考えたんだよね。

井上 それは本当にそうだと思う。ミュージカルでも、外国から来ているのはツアーカンパニーといって、本当のブロードウェイでやっているのとはちょっと違う、まだブロードウェイに出たことない俳優がオーディションを受けて出ていたりするし。もちろん素晴らしい俳優もたくさんいるけれど。

藤木大地
藤木大地 カウンターテナー

2017年4月、オペラの殿堂・ウィーン国立歌劇場に鮮烈にデビュー。 アリベルト・ライマンがウィーン国立歌劇場のために作曲し、2010年に世界初演された『メデア』ヘロル...

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