インタビュー
2023.06.18
世界のオーケストラ楽屋通信 Vol.2 菅野力(アルバレギア交響楽団ソロ首席フルート奏者)

メンバーは自分以外全員ハンガリー人! 温かく民族色が豊かなオーケストラ

世界各国のオーケストラで活躍する日本人奏者へのインタビュー連載。お国柄を感じるエピソードやカルチャーショックを受けた体験などを教えてもらいます。オーケストラの内側から、さまざまな国の文化をのぞいてみましょう!
第2回は、ハンガリーアルバレギア交響楽団ソロ首席フルート奏者の菅野力さん。コンサートでの独特な雰囲気の拍手や、意外と取り上げられない作曲家についてなど、ハンガリーらしさが炸裂!?

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

アルバレギア交響楽団ソロ首席フルート奏者に就任して初めての音楽鑑賞教室より。劇場に子どもたちを招待して、1時間程度のプログラムを演奏しています。丸1日劇場にこもり4公演ほど演奏するので、かなり体力勝負なコンサートです。

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言語の壁をあまり感じずに音楽で繋がる幸せ

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——所属されているオーケストラについて教えてください。

菅野 僕が所属するアルバレギア交響楽団は、首都ブダペストから電車で約40分、セーケシュフェヘールヴァールという街に本拠地をおくオーケストラです。

1901年に創設された前身のセーケシュフェヘールヴァール交響楽団は、ハンガリーの地方オーケストラとしては歴史の長い楽団です。長い間、劇場専属のオーケストラとして活動していましたが、2015年に劇場から独立し、アルバレギア交響楽団へと名称を変え、今に至ります。

定期公演や室内オーケストラのプロジェクト、地方への巡業、また子どものための音楽鑑賞教室にも力を入れており、勢いのあるオーケストラです。僕は2019年の9月に入団しました。

オーケストラの本拠地・ヴェレスマティ劇場

——楽団員とのコミュニケーションは何語でされていますか?

菅野 同僚は事務局も含め、なんと全員がハンガリー人。日本人はおろか、他のヨーロッパ国籍の同僚すらおらず、僕一人。寂しいと思う気持ちも多少ありますが、同僚のみなさんには本当に良くしていただいています。

リハーサル中はもちろん全部ハンガリー語です。しかし、僕は恥ずかしながらハンガリー語がほぼ話せないため、同僚とは英語とドイツ語を使っています。リハーサルを止めないよう、最低限仕事についていける程度のハンガリー語は身につけましたが、ハンガリー語は世界の数ある言語の中でもトップレベルで難しいので、なかなか話せるようになりません……。

それでも、仕事中はあまり言語の壁を感じていなくて、音楽で繋がることができると言いますか、なんとなく言いたいことがわかると言いますか、とても幸せな環境に身を置かせていただいていると日々実感しています!

菅野力(すがの・ちから)
静岡県出身。15歳よりフルートを始め、洗足学園音楽大学、スイス国立チューリッヒ芸術大学大学院修士課程コンサートディプロム、ならびに同大学院特別修士課程オーケストラコースを全て首席にて卒業。
国内外のコンクールで多数優秀な成績を修める。チューリッヒオペラ管弦楽団(スイス)、ベルン交響楽団(スイス)研修生を経て、現在アルバレギア交響楽団(ハンガリー)ソロ首席フルート奏者。三響フルート公式アーティスト。

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