ブラームスの交響曲を名盤で聴こう! 音楽評論家が選ぶBEST 3と楽曲解説
ブラームスの交響曲を名演で聴いてもらうべく、ONTOMO MOOK 「レコード芸術」編『新時代の名曲名盤 “いま”を反映する必聴ディスクはこれだ!』(音楽之友社刊、2023年)で1〜3位に選ばれた名盤を紹介します。さらに、それぞれの交響曲と選ばれた名盤についての解説を、音楽評論家の増田良介さんが書き下ろし。どれを聴いたらいい? 音源がたくさんありすぎて選べない! という方は必読です。
ショスタコーヴィチをはじめとするロシア・ソ連音楽、マーラーなどの後期ロマン派音楽を中心に、『レコード芸術』『CDジャーナル』『音楽現代』誌、京都市交響楽団などの演奏会...
音楽評論家による投票で選ばれた名盤ベスト3
クラシック音楽の「三大B」の一人、ヨハネス・ブラームスは、1833年にドイツのハンブルクで生まれ、作曲家、ピアニスト、指揮者として活躍し、1897年にこの世を去るまで、数々の名曲を残しました。ブラームスが生涯で作曲した交響曲は、全部で4曲。第1番から第4番まで、それぞれの名盤をランキング形式で紹介します!
今回は、投票にも参加した音楽評論家の増田良介さんによる講評と各曲の解説も掲載。ランキング以降に出た推し録音についても言及しているので、どれを聴けばよいのか迷っている人は、参考にしてみてください。
ブラームス:交響曲第1番
構想21年、ブラームスが満を持して発表した交響曲第1番は、
ところが、
ミュンシュ指揮/パリ管弦楽団
さて、今回1位になったのはHIP(歴史研究を踏まえた演奏)
2位に入ったカラヤンは、
第1位 ガーディナー指揮/レヴォリュショネール・エ・ロマンティーク
第2位 カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
第3位 ヴァント指揮/北ドイツ放送交響楽団
第3位 オールソップ指揮/ロンドン交響楽団
第3位 コンドラシン指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
第3位 バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー交響楽団
第3位 パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団
最新推し盤 ローレル指揮/ル・セルクル・ド・ラルモニー
ブラームス:交響曲第2番
第2番は、第1番とはいろいろな意味で対照的な作品だ。4か月ぐらいで書き上げられているし、「苦悩から歓喜へ」
今回、1位となったのは、なんとブラームス本人に会って、
2位は、個性派指揮者ストコフスキー最晩年の風格ある演奏と、
このランキング以降に出た演奏では、
第1位 モントゥー指揮/ロンドン交響楽団
第2位 ストコフスキー指揮/ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
第2位 ティチアーティ指揮/スコットランド室内管弦楽団
最新推し盤 ブロムシュテット指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
ブラームス:交響曲第3番
第3番は、明るさと陰影の交錯する、
複雑な性格の交響曲だけに、昔から決定的名盤はない。
新しい演奏では、第2番と同様、ブロムシュテットも良いのだが、
第1位 アーノンクール指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
第1位 ベルグルンド指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
第3位 ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
最新推し盤 尾高忠明指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団
ブラームス:交響曲第4番
交響曲第4番でブラームスは、終楽章にシャコンヌ(
さて、この曲で長らく1位の座を守り続けていたカルロス・
新しい演奏では、2番や3番の項で触れたブロムシュテットや尾高忠明もいいし、
第1位 シャイー指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
第2位 C.クライバー指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
第2位 ティチアーティ指揮/スコットランド室内管弦楽団
第2位 ワルター指揮/コロンビア交響楽団
最新推し盤 ミヒャエル・ザンデルリング指揮/ルツェルン交響楽団
ブラームスの関連記事
関連する記事
-
北村朋幹のリスト「巡礼の年」全曲 独自のプログラミングで聴き手を深い思考へ誘う
-
近年注目のマックス・レーガーによるオルガン作品集 暗く分厚い時代の響きを味わう
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly