新生活疲れをクラシックで払拭! 翌日へのパワーをチャージするアルバム3枚
国立音楽大学演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学...
春は新しく何かをはじめたり、環境が変わったりした……という方が多いのではないでしょうか。いろいろなことが動きだすタイミングで、なにかと気持ちが焦ったり、疲れてしまうこともあるはず。今回は、気持ちを整えて次の日を迎えるのにぴったりの楽曲が並ぶアルバムをご紹介したいと思います。
3枚ともWヴァイオリン&ピアノによるインストゥルメンタル・ユニット「TSUKEMEN」のアルバムです。彼らの強さと繊細さが作り出すコントラスト、そして包み込んでくれるようなあたたかい音色で奏でられる楽曲は、みなさまのさまざまなシーンを彩ってくれることでしょう。
クラシックにもタイパを! 短時間でシンフォニーのパワーをチャージ
まずは『JITAN CLASSIC』。とにかくいそがしく、「タイパ」も求められる現代の日々には、ぜひ名曲のエッセンスが凝縮されたこのアルバムで気持ちを盛り上げてみてはいかがでしょうか。クラシック音楽、とくに交響曲(シンフォニー)は30分を超える作品が多いのですが、なんとこのアルバムで聴けるベートーヴェンの「運命」交響曲は約6分!
そんなスピーディーでありながらドラマティックに展開していくベートーヴェンの音楽をはじめ、ドヴォルザークの交響曲第9番《新世界より》の、なつかしさを感じさせつつ新たな世界へと飛び込んでいく高揚感に満ちた音楽などが詰まった本アルバムは、新しいスタートを切るこの時期の期待感をさらに高めてくれることでしょう。
デザートのように幸せなクラシックと映画音楽の融合
続いては『HAPPYキッチン』。日々を元気に乗り切るために欠かせないもののひとつに食事がありますが、食材から工夫しておいしいものを作り上げていく料理と、聴衆が感動するものを作り上げていく音楽は、どちらも似たところがあります。
本アルバムは、音楽で幸せな気持ちになってもらいたいというTSUKEMENの想いが詰まったものになっており、ショパンやピアソラ、チャイコフスキーにラヴェルなどのクラシックの名曲が、映画音楽や洋楽などさまざまなジャンルの楽曲と融合し、新たな感動が生み出されています。
とくに、ショパンの名曲たちとアース・ウィンド・アンド・ファイアーの「セプテンバー」が融合した「ショパン・ラブズ・セプテンバー」や、チャイコフスキーの「白鳥の湖」とマンシーニの「シャレード」が融合した「スワン・レイク・シャレード」は、ぜひ食後のデザートタイムにお聞きいただきたい楽曲です。
美しいメロディや超絶技巧で疲れをリカバー
最後は『時を超える絆』。クラシックはもちろん、世代を超えて愛される洋楽や歌謡曲など、あらゆるジャンルの楽曲がTSUKEMENならではの超絶技巧や歌心あふれる演奏によって紡がれていきます。
そのなかでも、やはり注目したいのはベートーヴェンの「月光」ソナタ。原曲のもつ神秘性やドラマ性が引き出されつつ、メンバーそれぞれの技巧や音色の美しさが際立ったアレンジになっています。夜、次の日をあらたな気持ちで迎えるための時間を後押ししてくれるサウンドに満ちたアルバムです。
忙しい日々が続くと、どうしても毎日を「こなす」ようになってしまいますが、そこに美しく、さまざまな発見に満ちた音楽を加えていただくことで、より毎日が輝いてくるはずです。ぜひ新生活のおともに、これらの音楽を加えてみてください!
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