プレイリスト
2020.01.27
おやすみベートーヴェン 第43夜【ボンでの少年・青年時代】

「ディタースドルフのジングシュピール《赤頭巾》のアリエッタ〈昔ひとりの老人が〉による13の変奏曲」――ボン時代最後のピアノ曲

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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ボン時代最後のピアノ曲 「ディタースドルフのジングシュピール《赤頭巾》のアリエッタ〈昔ひとりの老人が〉による13の変奏曲」

「ドイツ三大B」とは、J.S.バッハとベートーヴェンとヨハネス・ブラームスを指す言葉だ。バロックと古典派とロマン派を代表するドイツの三大作曲家ということの当否はさておくとして、これを鍵盤楽器の変奏曲ジャンルにおいて見るとき、まさに「ドイツ三大B」は当を得ている。

——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)246ページより

ボン時代に書かれた最後のピアノ曲は、昨日のピアノ三重奏と同時期に作曲されたと推定され、同じくディタースドルフのオペラ《赤ずきんちゃん》のアリアを使った変奏曲。生涯で22曲書かれることになるピアノのための変奏曲は、ベートーヴェンのライフワークともいえるジャンルのひとつ。

1790年代に書かれたピアノのための変奏曲は、平野さんによると、

すべて第三者によるオペラやバレエ音楽などに含まれるヒット曲(アリアや舞曲旋律)を主題とした装飾変奏で、ベートーヴェン一流の即興性に富むピアノ表現を誇示するものとなっている。

——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)247ページより

主題に使われたディタースドルフのジングシュピール《赤頭巾》のアリエッタ〈昔ひとりの老人が〉

作品紹介

ディタースドルフのジングシュピール《赤頭巾》のアリエッタ〈昔ひとりの老人が〉による13の変奏曲 WoO66

作曲年代:1792年初夏(ベートーヴェン22歳)

出版:1793年秋

平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
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