「優しい愛(君を愛す)」——音楽の教科書に載ったこともある、心温まる歌曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
音楽の教科書に載ったこともある、心温まる歌曲 「優しい愛(君を愛す)」
「君を愛す、君が僕を愛してくれるように、夕べにあしたに。憂いも二人で分かち合えば耐えることもできる。神の祝福が君にあらんことを、神が君を、二人を守ってくれますように」と歌う。
日本では早くから高校の音楽教科書などに採用され、もっとも広く知られたベートーヴェンの歌曲となっている。
讃美歌作家のカール・フリードリヒ・ヘロゼー(1754~1821)が1784年に出版した詩で、10節からなる恋人同士の二重唱の詩の内容だが、ベートーヴェンは第3、4、6節を選んで1795年にA-B-A-C型の通作形式で作曲している。ト長調、4分の2拍子、アンダンテで全40小節からなる。第25小節からバスが半音ずつ上行するあたりに感情の高まりがあり、ト長調からハ長調への転調も印象的。
解説:平野昭
みなさんも音楽の授業で歌いましたか? ベートーヴェンの歌曲を代表する作品ですね。心温まる歌詞と曲調をお楽しみください。
女声バージョンも聴いてみましょう。
「優しい愛(君を愛す)」WoO123
作曲年代:1795年(ベートーヴェン25歳)
出版:1803年6月
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