プレイリスト
2020.04.04
おやすみベートーヴェン 第111夜【天才ピアニスト時代】

「ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 」——改訂を重ねて独自性を表現しようとしたベートーヴェン

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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改訂を重ねて独自性を表現しようとしたベートーヴェン 「ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 」

ベートーヴェンは「第2番」を出版するまでに、少なくとも4回は改訂していますが、やはり「第1番」と比べると、先ほどの調設定はもちろん、音型などにもモーツァルトの影響が大きいと思わせる箇所がたくさんあります。(中略)ボン時代からウィーン時代初期にかけての作品を改めて見直すと、「伝統的なものから抜け出したい」というベートーヴェンの強い意識が改めて浮かび上がってきます。

「第2番」の改訂の多さはモーツァルトの影響や伝統的な書法から離れたいという意識がとてもあったのでしょうね

――小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』(音楽之友社)80-81、87ページより

「ピアノ協奏曲 第2番」の決定稿は、なんと第4稿。ボン時代の1786年(ベートーヴェン16歳)から改訂を重ね、1798年にようやく完成しました。その背後には、モーツァルトの影響からの脱却と、ピアニストから作曲家になろうとする決意の表れがあるそうです。

ボン時代に完成させていた第1稿の第3楽章は、「ロンド 変ロ長調」としてすでに紹介しました。ぜひ聴き比べてみてください。

作品紹介

「ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 」Op.19

作曲年代:1798年完成(ベートーヴェン28歳)
※第1稿は1790年(ボン時代、ベートーヴェン20歳)に完成。

出版:1801年、ホフマイスター&キューネル社=ビュロー・ド・ミュジーク社(ウィーン)

小山実稚恵、平野昭著 『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』(音楽之友社)
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