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2020.05.17
おやすみベートーヴェン 第154夜【作曲家デビュー・傑作の森】

バレエ音楽《プロメテウスの創造物》——《英雄》や《田園》にもつながるベートーヴェンの劇音楽

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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《英雄》や《田園》にもつながるベートーヴェンの劇音楽 バレエ音楽《プロメテウスの創造物》

前年の交響曲第1番初演から1年後の1801年3月28日、ホーフブルク劇場にはベートーヴェンのバレエ音楽が鳴り響いていた。交響曲第1番と同じ遺伝子をもった序曲に始まるバレエ《プロメテウスの創造物》作品43の初演である。台本は当時ウィーン宮廷劇場のバレエ・マイスターの地位にあったサルヴァトーレ・ヴィガーノ(1769〜1822)。(中略)サルヴァトーレは新しいバレエ作品の創作を計画し、ギリシャ神話のプロメテウスを題材とした寓話劇の台本を書き上げ、音楽をベートーヴェンに依頼したのである。

この公演でベートーヴェンの劇音楽は、熱狂的とは言えないまでも好意的に受け入れられたようだ。ただ、初演後まもない1801年5月19日付の『エレガンテ・ヴェルト誌』はヴィガーノの振り付けとベートーヴェンの音楽について「音楽には日頃聴けないような優れた点が幾つか認められたものの、期待に応えられるようなものでは全くなかった」と厳しい批評を掲載している。しかし、バレエ《プロメテウスの創造物》は同年中に14回、そして翌年も13回上演されており、成功作と言ってよいだろう。

音楽は序曲と〈テンペスタ(嵐)〉と題されたアントレ(導入音楽)のあとに16曲の情景が続くものだ。

——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)59-60ページより

平野さんが「作曲順にコンプリート・ ベートーヴェン! 毎日聴くと見えてくる“本当の姿”」でイチオシ作品に挙げている《プロメテウスの創造物》。序曲だけでなく全曲を聴くと、交響曲第3番《英雄》の終楽章や、交響曲第6番《田園》の嵐の場面(第4楽章)につながることがわかるとのこと。

この頃のバレエについては、「まだコール・ド・バレエ(ソリストと群舞が出演する大人数のバレエ)ではなくて、パントマイムのようなイメージです。序曲のあと、第1場の情景に入る前が、抜き足差し足忍び足っていうような音楽になっていますので、パントマイムと思うと、目に浮かびます」とコメントしています。

作品紹介

バレエ音楽《プロメテウスの創造物》Op.43

作曲年代:1800年初春~01年初春(ベートーヴェン30〜31歳)

出版:1804年1月、1801年6月ピアノ編曲版

平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)

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