2020.06.05
おやすみベートーヴェン 第173夜【作曲家デビュー・傑作の森】
交響曲第2番ニ長調 第2楽章——交響曲には慎重派なベートーヴェン
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!
交響曲には慎重派なベートーヴェン 交響曲第2番ニ長調 第2楽章
ハイドンやモーツァルトは序曲シンフォニア・タイプの3楽章シンフォニーから出発し、やがて第3楽章にメヌエットを配した[急・緩・メヌエット・急]の安定した4楽章構成の交響曲様式に到達している。彼らが交響曲と取り組んだのは創作活動の初期段階からであったが、ベートーヴェンが交響曲と真剣に取り組み始めたのは満29歳を迎えるころであった。モーツァルトならこの年齢を迎える1785年12月には交響曲「ニ長調」《プラハ》(第38番)K504まで作曲しており、残すところは1788年に集中作曲される最後の3曲だけである。いかにベートーヴェンが交響曲創作に慎重であったかが窺える。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)212ページより
交響曲第2番が作曲されたとき、すでに15曲のピアノ・ソナタと9曲のヴァイオリン・ソナタ、そしてこの連載が170日を超えるほどに数多くの作品が発表されていました。交響曲はまだ2番。ベートーヴェンが慎重に取り組んでいたことがうかがえますね。
作品紹介
交響曲第2番ニ長調Op.36
作曲年代:1802年(ベートーヴェン32歳)
出版:1804年3月美術工芸社(ウィーン)
平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
おやすみベートーヴェン
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