プレイリスト
2020.11.07
おやすみベートーヴェン 第328夜【最後の10年】

「12のスコットランド歌曲集」——ベートーヴェン流「蛍の光」も!

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

48歳となったベートーヴェン。作品数自体は、これまでのハイペースが嘘のように少なくなります。しかし、そこに並ぶのは各ジャンルの最高峰と呼ばれる作品ばかり。楽聖の「最後の10年」とは、どんなものだったのでしょう。

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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ベートーヴェン流「蛍の光」も! 「12のスコットランド歌曲集」

「12のスコットランド歌曲集」

1.バクルーの旗(三重唱)
2.ダンカン・グレイ(三重唱)
3.さあ、家の中から出ておいで(三重唱)
4.心地よい谷の羊飼いたち(三重唱)
5.からかうのはやめて
6.ハイランドのハリー
7.ポリー・スチャート
8.女(三重唱)
9.ロッホネイガー(三重唱)
10.グレンコー(三重唱)
11.過ぎ去りし懐かしい日々(合唱付き三重唱)
12.クエーカー教徒の妻(三重唱)

第5~7曲以外はすべて三重唱で、伴奏はピアノとヴァイオリン(あるいはフルート)とチェロによるものだ。特によく知られた第11曲「過ぎ去りし懐かしき日々(オールド・ラング・サイン)」は日本では「蛍の光」の名で知られたスコットランド民謡だ。これは三重唱に合唱が加わった編曲となっている。

 

新作品目録(2014年)のWoO156は「22のスコットランド歌曲集」として再編成され、曲順が大きく入れ替わっていて、旧作品目録(1954年)のWoO156の第5曲が削除されている。ここでは新しい目録の曲順をカッコ内に示しておく。

 

1(19)、2(9)、3(17)、4(13)、5(新目録ではウェールズ民謡として除外)、6(4)、7(15)、8(10)、9(8)、10(18)、11(11)、12(12)。

 

これら12曲のうち、ベートーヴェン生存中に出版されたのは第1曲(1822年)、第2、3、4、8、9、12曲(1824/25年)だけ。残りはベートーヴェン没後で第5、6曲(1839年)、第7,10,11曲(1841年)で、いずれもエディンバラのG.トムソン社から出版された。

解説: 平野昭

数多くの民謡編曲を手がけたベートーヴェン。今日紹介する「12のスコットランド民謡」が最後の民謡歌曲集です。

おなじみの「蛍の光」、ベートーヴェンのアレンジはいかがですか?

作品紹介

「12のスコットランド歌曲集」WoO156

作曲年代:1816〜19年(ベートーヴェン46〜49歳)

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