オープニングに急遽アルゲリッチ登場!第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール開幕
第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールがとうとう開幕!ONTOMOでは第1次予選、第2次予選、ファイナルと、各ラウンド後に青柳いづみこさんが現地レポートをお届けします。まずは5日に行なわれたオープニング・コンサートから。川口成彦、トマシュ・リッテル、ブルース・リウという豪華な出演陣に加え、急遽アルゲリッチが出演というサプライズ! 会場中がスタンディングオベーションで、コンクールの開幕が祝われました。
安川加壽子、ピエール・バルビゼの各氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院首席卒業、東京藝術大学大学院博士課程修了。武満徹・矢代秋雄・八村義夫作品を集めた『残酷なやさし...
2018年に第1回が開かれたショパン国際ピリオド楽器コンクール。日本の川口成彦が第2位に入賞したことは記憶に新しい。2023年はその第2回で、書類・DVD審査の結果、日本から10名、ポーランドから6名、イタリアから4名、中国、韓国、アメリカ合衆国からは2名ずつの出場者が決まっている。
10月6日から第1次予選が始まったが、それに先駆けてオープニング・コンサートが5日夜、19時からワルシャワのフィルハーモニーホールで開かれた。
川口成彦が、日本の作曲家・藤倉大が書いたフォルテピアノのための《Bridging Realms》を世界初演するほか、2018年ピリオド楽器コンクールの覇者トマシュ・リッテル、2021年の第18回ショパン国際ピアノコンクールの覇者ブルース・リウの出演が決まっていたが、前々日になって、急遽、1965年の覇者、マルタ・アルゲリッチも出演し、フォルテピアノを弾くことになったというニュースがもたらされ、期待はさらに高まった。
川口成彦が藤倉大のフォルテピアノのための作品を世界初演
約1,200名のフィルハーモニーホールはほぼ満員。前半の使用楽器は1819年製のグラーフ(2007年修復)。通常の配置ではなく、オーケストラの中で奏者が正面を向く形に置かれている。
川口成彦がソロで演奏した藤倉大の《Bridging Realms》はどこか三弦*を思わせる響きで、楽器の特性をよく活かした幽玄な作品。武満徹『雨の樹素描』を思わせる重音の連なりが静謐な雰囲気を醸し出す中、時折りかき鳴らされる鋭いアルペッジョがアクセントを添えている。
*三弦(さんげん):中国のリュート属弦鳴楽器。ヘビ皮を張った箱形胴にさしこまれた棹(さお)に3本の弦を張ったもので、指か義甲で弾奏する
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