レポート
2025.11.19

クラウス・マケラと“マーラーを呼吸するように演奏して育った”コンセルトヘボウ管弦楽団が築く信頼関係

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

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来日ツアー中のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が、ツアー最終日の11月18日、サントリーホールにて記者会見を開催した。2027年シーズンから首席指揮者に就任するクラウス・マケラ、マネージング・ディレクターのドミニク・ウィンターリング氏、KAJIMOTO代表取締役社長の梶本眞秀氏が登壇し、今回のツアーの想いを語った。

クラウス・マケラは、「私の“将来のオーケストラ”であるコンセルトヘボウ管と一緒に、日本ツアーが実現できたことは大きな喜びです。この素晴らしいオーケストラとは近しい関係をすでに築いていて、自分たちにとって大切なレパートリーを日本の皆さんにお届けできることを大変嬉しく思っています」と挨拶し、今回のプログラムと楽団との関連について次のように述べた。

「マーラーとR.シュトラウスは指揮者としても活躍した作曲家でした。R.シュトラウスはコンセルトヘボウ管を30回以上振っており、マーラーはコンセルトヘボウゆかりの音楽家であり自作曲の初演や改訂版の指揮をしています。私たちは伝統――R.シュトラウスやマーラーから受け継いできたもの――を脈々と次の世代に伝えていきます。このオーケストラを今後、引っ張っていくことを私自身、心から楽しみにしています」

マケラは今年11月、コンセルトヘボウ管との記念すべき初めてのライヴ録音『マーラー:交響曲第8番《千人の交響曲》』をリリースしたばかり。

「このライヴ盤は今年5月のマーラー・フェスティバルを収録したもので、生涯忘れることのない特別な10日間でした。アムステルダムはマーラーを非常に大事にしている街で、それほどマーラーが人気のなかった時期でも彼の音楽を大切に伝えてきました。コンセルトヘボウ管は、マーラーの音楽を呼吸するようにして育まれてきたオーケストラ。この大切なアルバムを、日本でリリースすることができて嬉しく思っています」

マーラーの命日5月18日に演奏された第8番《千人の交響曲》は、マケラ自身が“人生最高の経験のひとつ”と語っており、歴史的録音として刻まれることとなった。

最後に、ドミニク・ウィンターリング氏はコンセルトヘボウ管弦楽団の今後の来日スケジュールについて、「私たちは、長い伝統である日本でのコンサートをこれからも大事に続けていきたいと思っており、2027年11月にふたたび日本に来ます。皆様にまたお会いできることを楽しみにしています」と述べた。

2年後となる次回来日時は、シカゴ交響楽団の第11代音楽監督も兼任しているマケラ。世界屈指のオーケストラを率いる若きマエストロは、これからますます世界中の音楽ファンを感嘆させてくれるだろう。

公演情報
クラウス・マケラ指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 2025年11月来日ツアー(全公演完売)

【京都公演】
日時: 2025年11月11日(火)19:00開演
会場: 京都コンサートホール
曲目: プログラムA
問い合わせ: 京都コンサートホール075-711-3231

【群馬公演】
日時: 2025年11月13日(木)19:00開演
会場: 高崎芸術劇場 大劇場
曲目: プログラムA
問い合わせ: 高崎芸術劇場027-321-3900

 【兵庫公演】
日時: 2025年11月15日(土)15:00開演
会場: 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
曲目: プログラムB
問い合わせ: 兵庫県立芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255

【神奈川公演】
日時: 2025年11月16日(日)17:00開演
会場: ミューザ川崎シンフォニーホール
曲目: プログラムB
問い合わせ: ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200

 【東京公演】
日時: 2025年11月17日(月)19:00開演
会場: サントリーホール
曲目: プログラムA
問い合わせ: カジモト・イープラス050-3185-6728

【東京公演】
日時: 2025年11月18日(月)19:00開演
会場: サントリーホール
曲目: プログラムB
問い合わせ: カジモト・イープラス050-3185-6728

[プログラムA]
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15(ピアノ:アレクサンドル・カントロフ)
バルトーク:管弦楽のための協奏曲

[プログラムB]
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」op.20
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調

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