レポート
2023.02.06

ショルティ《ニーベルングの指環》最新リマスターが発売、リマスタリング試聴会開催

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

©Ryota Mori

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指揮者サー・ゲオルグ・ショルティの生誕110周年・没後25周年を記念した大プロジェクトとして、ショルティが1958年から65年にかけて完成させた、史上初の《ニーベルングの指環》スタジオ全曲録音が、《ラインの黄金》(2023年1月)、《ヴァルキューレ》(2023年1月)、《ジークフリート》(2023年3月)、《神々の黄昏》(2023年6月)と計4作リリースされる。

 

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1958年オリジナルのステレオマスターテープから2022年に制作したDSDマスターを使用。一番古いテープで65年経過した38本のオリジナル・マスターテープの中で、状態の悪いテープは55℃で10時間焼成することで修復に成功し、24bit/192kHzの高解像度で新たにマスタリングを行なった。それにより、ウィーン・フィルの金管楽器や弦楽器の輝かしい倍音をかつてないほど聴かせてくれる。

日本盤のみ、グリーン・カラー・レーベルコート、オリジナルLPジャケットをあしらった三方背ケース、歌詞対訳付きブックレットが付き、「演奏史譚」を専門とする山崎浩太郎氏のオリジナル・ライナーノーツも封入される。

2月1日には、有楽町のKEF MUSIC GALLERYにてリマスタリング試聴会が開かれた。KEFのHiFiスピーカー最上級モデルのMUONで、《ラインの黄金》と《ヴァルキューレ》から、1997年盤CDと2022年盤を順番に試聴し、麻倉怜士(オーディオ・ビジュアル/音楽評論家)と山崎浩太郎(音楽ジャーナリスト/演奏史譚家)が遠近感、空間性、音の堆積感、奥行き、声の分離、等々その明らかな違いを語り合った。

最後に「新しく出会う作品として若い世代にも知ってほしい」「今はなきウィーンのゾフィエン・ザールの響きを伝えたい」といった発売元からの挨拶があり、「このような試聴会を各地で」という会場からの希望とともに閉会となった。

《ラインの黄金》を手にする麻倉怜士氏(左)と、《ヴァルキューレ》を手にする山崎浩太郎氏。2人の間にあるのがKEFのHiFiスピーカー最上級モデルのMUON。©Ryota Mori
ワーグナー:楽劇《ラインの黄金》

2023 年 1 月 11 日(水)発売

品番:UCGD-9089/90  定価:¥9,400

参加アーティスト: ジョージ・ロンドン(バス・バリトン:ヴォータン) エーベルハルト・ヴェヒター(バリトン:ドンナー) ヴァルデマール・クメント(テノール:フロー) キルステン・フラグスタート(ソプラノ:フリッカ) クレア・ワトソン(ソプラノ:フライア) セット・スヴァンホルム(テノール:ローゲ) ジーン・マデイラ(メッゾ・ソプラノ:エルダ) グスタフ・ナイトリンガー(バス:アルベリヒ) パウル・クーエン(テノール:ミーメ) ヴァルター・クレッペル(バス:ファゾルト) クルト・ベーメ(バス:ファフナー) オーダ・バルスボルク(ソプラノ:ヴォークリンデ) イーラ・マラニウク(メッゾ・ソプラノ:フロースヒルデ) ヘティ・ブリューマッヒャー(アルト:ヴェルグンデ) ウィーン国立歌劇場合唱団 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ

録音:1958 年9 月-10 月 ウィーン、ゾフィエン・ザール

ワーグナー:楽劇《ヴァルキューレ》

2023 年 1 月 11 日(水)発売

品番:UCGD-9090/3  定価:¥16,000

参加アーティスト: ジェイムズ・キング(テノール:ジークムント) レジーヌ・クレスパン(ソプラノ:ジークリンデ) ゴットロープ・フリック(バス:フンディング) ハンス・ホッター(バス:ヴォータン) クリスタ・ルートヴィヒ(メッゾ・ソプラノ:フリッカ) ビルギット・二ルソン(ソプラノ:ブリュンヒルデ) ヴェラ・シュロッサー(ソプラノ:ゲルヒルデ) ヘルガ・デルネシュ(ソプラノ:オルトリンデ) ブリギッテ・ファスベンダー(メッゾ・ソプラノ:ヴァルトラウテ) ヘレン・ワッツ(アルト:シュヴァルトライテ)他 ウィーン国立歌劇場合唱団 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ

録音:1965 年10 月、11 月 ウィーン、ゾフィエン・ザール

ワーグナー:楽劇《ジークフリート》

2023 年 3 月 31 日(金)発売

品番:UCGD-9094/7  定価:¥16,000

参加アーティスト: ヴォルフガング・ヴィントガッセン (テノール:ジークフリート) ビルギット・ニルソン(ソプラノ:ブリュンヒルデ) ゲルハルト・シュトルツェ(テノール:ミーメ) グスタフ・ナイトリンガー(バリトン:アルベリヒ) ハンス・ホッター(バス・バリトン:さすらい人) ジョーン・サザーランド(ソプラノ:森の小鳥) クルト・ベーメ(バス:ファフナー) マルガ・ヘフゲン (アルト:エルダ) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ

録音:1962 年5 月、10 月 ウィーン、ゾフィエン・ザール

ワーグナー:楽劇《神々の黄昏》

2023年6月発売予定

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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

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