
ブロムシュテット、阪田知樹らがミュージック・ペンクラブ音楽賞を受賞!


東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ミュージック・ペンクラブ音楽賞とは、音楽評論家、音楽学者、作曲家、演奏家、プロデューサーなど、音楽に関わる人材が集まる団体「ミュージック・ペンクラブ・ジャパン」の会員約 130 名の投票によって、1年に一度選定される賞。少数の選考委員が選ぶ従来型の賞とは異なるのが特徴で、国内で年間を通して発表された音楽界のプロダクツやイベントが授賞の対象となる。
「クラシック」「ポピュラー」「オーディオ」の3つの分野に分かれ、クラシック部門は下記の受賞者が発表された。
クラシック部門 受賞者
1. ソロ・アーティスト:阪田知樹(ピアノ)
2. 室内楽・合唱:クァルテット・インテグラ(弦楽四重奏)
3. オペラ・オーケストラ:セイジ・オザワ松本フェスティバル2025《夏の夜の夢》(ロラン・ペリー(演出)沖澤のどか(指揮)サイトウ・キネン・オーケストラ)
4. 現代音楽:細川俊夫 《ナターシャ》
5. 研究評論・出版:舩木篤也 著『三月一一日のシューベルト』(音楽之友社)
6. 功労賞:秋山和慶(指揮)
7. 特別賞:ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
各部門の選評
2023年にラフマニノフ、ピアノ協奏曲全曲演奏会を成功させたのちも、全曲演奏をテーマの一つとして重量級演奏会に挑戦し、2025年11月28日にはカーキ・ソロムニシヴィリ指揮スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団との共演でブラームスの大作協奏曲2曲の性格を弾き分けた。12月26日には白寿ホールでベートーヴェン、リスト編曲の交響曲ピアノ独奏版シリーズの最終回として第九を完遂。これらコンプリート性の高い不断の演奏活動に対して贈賞する。(萩谷由喜子)

2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位、6つの特別賞。 2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール第4位入賞。国内はもとより、世界各地20ヵ国以上で演奏を重ね、国際音楽祭への出演多数。2015年CDデビュー。音楽之友社よりピアノ編曲集『ヴォカリーズ』、『夢のあとに』、阪田の作曲した『アルト・サクソフォーンとピアノのためのソナチネ』を出版。2017年横浜文化賞文化・芸術奨励賞、2023年第32回出光音楽賞、第72回神奈川文化賞未来賞、第27回ホテルオークラ音楽賞を受賞。
2025年は創立10周年の節目となった。米国での研さんを終えてドイツに拠点を移し、日本の若いグループをけん引する団体として存在感を高めている。チェロ奏者の交代を経て、精緻でスムーズ、機能的なアンサンブルにいっそう磨きが掛かってきた。日本ではベートーヴェン・サイクルを始動するなど、今後の業績にも期待。そこからの第16番を含むCDを、高音質で有名な米ヤーラン・レコーズから出し、演奏・録音とも極上の成果をあげた。(宮下 博)

2015年結成。豊かな音色と緻密なアンサンブルで国際的に注目を集め、ARDミュンヘン、ウィグモアホール、バルトークなど主要国際コンクールで受賞を重ねている。レパートリーはハイドンから現代まで幅広く、古典と現代の対話を探求し、日本国内で定期的にリサイタルやベートーヴェン全曲演奏に取り組んでいる。近年はドイツを拠点とし、ハイデルベルク音楽祭などヨーロッパの主要音楽祭にも招かれ、活動を広げている。
2024年2月6日に小澤征爾が亡くなったとき、誰もが彼の創設した松本市のフェスティバルの先行きを危ぶんだ。マエストロが最晩年、首席客演指揮者に指名した沖澤のどかは同年夏の公演で急きょ代役を務めたブラームスの交響曲の指揮で圧倒的成功を見せ、周囲を安堵させた。2025年のフェスティバルでは素晴らしいキャストとともにブリテンのオペラ《夏の夜の夢》に挑み、ロラン・ペリーの幻想的な演出と合致した玲瓏な音楽づくりで指揮者としての大きな進境を記した。(池田卓夫)
セイジ・オザワ 松本フェスティバル
1992年に小澤征爾が創立した『サイトウ・キネン・フェスティバル松本』を2015年『セイジ・オザワ 松本フェスティバル』と改称。小澤の恩師、齋藤秀雄の名を冠したサイトウ・キネン・オーケストラを中心に、小澤征爾音楽塾の教育プログラムにも力を入れている。

1987年生まれ。セイジ・オザワ 松本フェスティバル創設者小澤征爾の指名により、2024年首席客演指揮者に就任。現在、京都市交響楽団常任指揮者。2025年ボストン響にデビュー、国内主要オーケストラにも定期的に客演。故郷の青森県で自身の音楽祭も開催している。
大野和士芸術監督による日本人作曲家委嘱作品シリーズ第3弾《ナターシャ》は、電子音響やエレキギターなど鮮烈な音響も交えたダイナミックなドラマで、作曲者細川俊夫が新境地を見せるオペラとなった。多和田葉子の台本、クリスティアン・レートの演出、大野和士の指揮、イルゼ・エーレンスと山下裕賀ほかの独唱者、合唱と管弦楽が一体となり、日本ではこれまでにない、21世紀にふさわしい充実のオペラ空間を創造した。(山崎浩太郎)
新国立劇場
日本唯一の現代舞台芸術のための国立劇場として、オペラ、バレエ、ダンス、演劇の公演の制作・上演や、芸術家の研修等の事業を行なう。オペラ部門(芸術監督:大野和士)は世界水準のオペラを年間およそ10本上演している。

ヨーロッパと日本を中心に活動し、オペラ《班女》、管弦楽作品《循環する海》など欧米主要オーケストラ、音楽祭、歌劇場等からの多くの委嘱作が高評を得る。武生国際音楽祭音楽監督、広島交響楽団コンポーザー・イン・レジデンス。
「音楽評論は文芸だ」と看破する筆者の雑誌連載に加筆した単行本。音楽批評の可能性に挑み、思わぬきっかけから意外な方向へ発展する道筋が新鮮だ。その語り口は丁寧だが、確信犯的でもある。読み手をみずからのロジックへ引っ張り込み、納得させる一種の牽強付会が快感になる。映画の一場面に流れるシューベルトから原発事故での喪失に思いをはせたり、歌謡曲の一節から深い洞察に突き進んだりと、豊富な筆力がほとばしる快作。(宮下 博)
東京交響楽団を長く率いその水準を高めたのみならず、地方楽団に至るまで長年にわたり幅広い現場で活動し、日本の演奏文化の基盤を支えてきた。スター性を押し出すのではなく、正確無比なバトンテクニックと堅実な解釈で楽団の育成に粘り強く向き合った。東京と地方、古典と現代を結ぶ60年もの活動は指揮者の模範像を更新し、日本のクラシックの土台作りに大きく寄与した。(江藤光紀)

齋藤秀雄に師事し桐朋学園卒業。1964年に東京交響楽団を指揮してデビュー後、同団の音楽監督・常任指揮者を40年務め、日本のオーケストラ界を牽引した。バンクーバー響、シラキュース響等の音楽監督を歴任し、ニューヨーク・フィルなど欧米の名門オーケストラに客演。サントリー音楽賞ほか受賞多数。紫綬褒章、旭日小綬章を受章し、文化功労者に選出。2024年に指揮者生活60周年を迎えた。2025年1月逝去。
ヘルベルト・ブロムシュテットは、2025年10月、NHK交響楽団との3つのプログラム、6回の定期公演に登場し、98歳とは思えぬ集中力と活力により、透き通った響きと深い敬虔さに貫かれた演奏を実現した。グリーグ、シベリウス、メンデルスゾーン、ブラームスなどにおいて、ゆるぎない構造のもと作品の核心を、今生まれたかのように立ち上がらせた。その演奏は、指揮芸術の本質と可能性を日本の聴衆にあらためて示す、かけがえのない体験となった。(長谷川京介)

現役最高齢指揮者の一人。1927年スウェーデン人の両親のもと米国に生まれ、幼少期はスウェーデンで育つ。ストックホルム王立音楽院、ジュリアード音楽院などで学ぶ。ドレスデン国立歌劇場管、サンフランシスコ響、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管などの首席指揮者や音楽監督を務めた。NHK交響楽団とは1981年に初共演し、1986年より名誉指揮者、2016年に桂冠名誉指揮者となる。ドイツ系音楽をレパートリーの中心とし、北欧音楽でも高い評価を受けている。
関連する記事
-
イベント全国から熱い視線!リーデンローズ「オーケストラ福山定期」~本気でコアなプログラム
-
レポートモーツァルト《イドメネオ》 マリインスキー劇場がゲルギエフ指揮で新演出上演
-
レポートマリア・ドゥエニャスがニューヨーク・フィル・デビュー/ブルース・リウのリサイタル
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest

















