夏休み特別企画「ゼツメツキグシュノオト学校」8月21日/音楽の友ホール

地球の宝物たちに、絵×詩×音楽で会いに行く。

レポート
2018.09.21

絶滅が心配な生き物に思いをよせる「ゼツメツキグシュノオト」プロジェクトの“学校”に、プライベートで来ていた絵本作家の本間ちひろさんをつかまえて、メッセージを寄せていただきました。
今なら、まだ間に合うかもしれません! まだ、泣かないで、できることを探しましょう!

思想する人
本間ちひろ 絵本作家・イラストレーター
本間ちひろ
思想する人
本間ちひろ 絵本作家・イラストレーター
1978年、神奈川に生まれる。東京学芸大学大学院修了。2004年、『詩画集いいねこだった』(書肆楽々)で第37回日本児童文学者協会新人賞。作品には絵本『ねこくん こん...

コホー コホー

夜の森に静かに響く、リュウキュウコノハズクの鳴き声から、夏休み特別企画「ゼツメツキグシュノオト学校」が始まった。音の台所・茂木淳子さんの詩を読むやわらかな声に、内藤晃さんのピアノが続く。

音の台所・茂木淳子さん(左)が詩の朗読、内藤晃さんがピアノを弾いた。2018年8月21日イベント「ゼツメツキグシュノオト学校」音楽の友ホールにて。
リュウキュウコノハズク、リュウキュウアカショウビン、エゾナキウサギ、ラッコなど、絶滅危惧種の動物に思いをよせた、絵と詩と音楽のコラボレーション「ゼツメツキグシュノオト」は、CD、絵本、楽譜を展開。作曲を春畑セロリさん、絵と文と朗読は音の台所の茂木淳子さん、ピアノを内藤晃さん。

四角い音楽の友ホールが、海になったり、森になったり。
サンゴの卵たちはキラキラと月夜の海へ旅立ち、アマミノクロウサギの親子が巣穴で鼻と鼻のキスをするとき、世界はこんなにも、やさしさで満ちあふれるのだ。

そして、不意に訪れる切ない和音や、そっと消えていく最後の音に、私たちは、生き物たちの命を想う。

この「学校」は聴くだけでなく、生徒も、いろいろなことをして生き物たちに寄り添っていく。鳥の声をまねたり、モモンガになって音楽に合わせて飛んだり……。

ラッコの曲では、大きな海で迷子にならないよう、手をつないで眠るラッコにならって、客席の大人も子どももみんなで手をつないだ。一歩外に出れば、経済や政治、便利さを理由に、自然保護は優先順位が下にされる現状もある。また、自然の問題に限らず、意見を言って、反論されることもあるだろう。

でもそんなとき、みんなで手をつなぎ耳を澄ました思い出は、そっと背中を支えてくれる気がする。

絵本『ゼツメツキグシュノオト』
音楽用語「タイ」が詩のタイトルになり、ラッコのことを綴っているページ。小さな絵本『ゼツメツキグシュノオト』より。
会場の大人も子どもも、ラッコに倣って手をつなぐ。
「ゼツメツキグシュノオト」で文章を寄せている阿部健一さん(左)は、総合地球環境学研究所教授で、専門は環境人間学・相関地域研究。作曲の春畑セロリさん(右)は、このイベントをナビゲート。

作曲の春畑セロリさんと対談をした、総合地球環境学研究所の阿部健一教授は、自然保護には、感性、感覚が大事と、何度もおっしゃっていた。子どもたちの自然体験はもちろん、大人にもそれは大事と。

「シュノーケリングしたらいい。沖縄にも素晴らしいサンゴ礁がある。潜って、命輝く美しい海を感じてほしい。感じてから、どうするか、考えてほしい」

そう、潜って、感じたいのだ。海や山に今すぐ行きたい!

でも、行けないときには、鳥の声をまねたり、詩や音楽から生き物の息遣いに触れることも、大切な楽しい自然体験だ。

 

どうぞ、大人の皆さま。

心で潜る、このちいさな遊びを自分に許してあげてください。自然を想うやさしい誇りを、手放してしまわないように。

ゼツメツキグシュノオトとは

絶滅が心配な生き物たちに思いをよせる、絵と音楽のコラボレーション。

音の台所(茂木淳子)さんが生き物の絵を描き、つぶやきを添え、そのイメージを作曲家の春畑セロリさんが曲にしました。

 

音楽之友社のWeb連載として、月1曲のペースで生まれた愛らしい曲たち。18の生き物たちに寄せた、18曲の小さなピアノ作品です。

 

リュウキュウコノハズク、リュウキュウアカショウビン、エゾナキウサギ、ラッコ、アオウミガメ、アマミノクロウサギ、イリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナ、ナゴラン、リュウキュウウラボシシジミ、サンゴ礁、ライチョウ、ニホンリス、ホッキョクグマ、クマゲラ、ニホンモモンガ、チーター、カカポ

 

彼らはみな、生存個体が稀少となり絶滅が危ぶまれている生き物です。

でも、彼らは彼らなりに、いつも通りの日々を生き、一生懸命に、チャーミングに、たくましく毎日を過ごしています。

 

この作品を聴いて、見て、演奏することで、「ゼツメツキグシュ」たちに少しでも心をよせ、地球環境や生命について思いをはせるきっかけになればと、願っています。

色とりどりの卵に模したシールを貼って、サンゴ礁の絵を完成させるという、ゼツメツキグシュノオトの活動。共感した書店や楽器店、ホールに設置して、人々に呼びかけている。
会場には、阿部健一さん監修の『みんないきもの(こどものための実用シリーズ)』(朝日新聞出版 /2018年7月20日発売)も展示。いろんないきものたちの生き方を見ながら、わたしたちの家や食べもの、家族や仲間、そして命について、いっしょに考えていこう、というコンセプト。
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