連載
2025.11.29
万里生クラシック! vol. 8

田代万里生×児玉隼人対談【前編】トランペットやオーケストラの魅力について語り合う

ミュージカル作品を中心に、多彩な活動を続ける田代万里生さんが、愛するクラシック音楽を語る「万里生クラシック」。今回は、2024年に日本管打楽器コンクールトランペット部門で史上最年少の1位を獲得、その後N響ほか数々のオーケストラと共演するなど、今もっとも注目を集めるトランペット奏者、児玉隼人さんとの特別対談をお送りします。自身も中学高校の6年間トランペットを演奏していた経験を持つ田代さんからのたってのラブコールで実現したこの対談。前編は、トランペットという楽器の魅力や影響を受けたアーティストなどについて、ふたりが熱く語り合います。

田代万里生
田代万里生 ミュージカル俳優

東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。3歳からピアノを学び、7歳でヴァイオリン、13歳でトランペットを始め、15歳からテノール歌手の父より本格的に声楽を学ぶ。1...

進行・まとめ
室田尚子
進行・まとめ
室田尚子 音楽ライター

東京藝術大学大学院修士課程(音楽学)修了。東京医科歯科大学非常勤講師。オペラを中心に雑誌やWEB、書籍などで文筆活動を展開するほか、社会人講座やカルチャーセンターの講...

カメラマン:各務あゆみ

この記事をシェアする
Twiter
Facebook

Instagramで注目した天才トランペット少年に対面!

——田代さんはどういう経緯で児玉さんに注目されたのでしょうか。

田代 最初は名前も知らないまま、Instagramのおすすめ機能で表示された児玉さんのショート動画をよく見ていたんです。小学生の男の子が地道な練習を重ねて上達していく過程を記録した動画で、可愛いなあと思うと同時に、どんどん技術力が上がってくるのに目が釘付けになってしまったんです。

続きを読む

児玉 小学校5年生のときに毎日練習するという目標を掲げて、そのモチベーションのために動画を上げるようになりました。そのうちに見てくれる人がどんどん増えてきて、トランペット奏者ではあまり毎日練習動画をあげている人がいなかったので、注目されるようになったんだと思います。

田代 児玉さんは2025年現在で16歳ということですが、僕がミュージカル・デビューをして今年で16周年なんです。つまりあのとき生まれた子がコンクールで優勝し、N響とソリストとして共演し、今はドイツに留学して世界的に活躍しているという(笑)。僕は声楽を始める前、中高の6年間はずっとトランペット漬けの青春でしたから、僕が歩みたかった人生を児玉さんが歩んでいるような感覚も抱いています。

田代万里生(たしろ・まりお)
東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。埼玉県立大宮光陵高等学校音楽科声楽専攻(テノール)卒業。音楽の教員免許(中学・高校)資格を取得。絶対音感の持ち主でもある。3歳から母よりピアノを学び、7歳でヴァイオリン、13歳でトランペットを始め、15歳からテノール歌手の父より本格的に声楽を学ぶ。ピアノを三宅民規、御邊典一、川上昌裕、吉岡裕子、声楽を直野資、市原多朗、岡山廣幸、野口幸子に師事。13歳のとき、藤原歌劇団公演オペラ《マクベス》のフリーアンス王子役に抜擢。大学在学中の2003年東京室内歌劇場公演オペラ《欲望という名の電車》日本初演で本格的にオペラデビュー。その後09年『マルグリット』でミュージカルデビューを果たす。
近年の主な出演作に『キャプテン・アメイジング』『イノック・アーデン』『ラブ・ネバー・ダイ』『モダン・ミリー』『カム フロム アウェイ』『アナスタシア』『マチルダ』『マタ・ハリ』『マリー・アントワネット』等。第39回菊田一夫演劇賞受賞。ミュージカルデビュー15周年記念アルバム「YOU ARE HERE」発売中。
2025年10月より『エリザベート』に出演中。

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ