読みもの
2019.04.18
4月特集「10連休」

Aoi MizunoのGW計画書~夢を叶えるための10日間

10連休となった今年のゴールデンウィーク。ONTOMOナビゲーターや編集部が「10連休だからこそ」の目標を立てて、毎日の計画を発表!

第4弾は、いよいよプレイヤーが登場! 2019年4月現在、ザルツブルクで勉学に励んでいる、クラシカルDJ/指揮者のAoi Mizunoさんが、ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019に出演するため東京に駆けつけます。音楽家のゴールデンウィークを覗いてみよう!

10連休はLFJに出演する人
水野蒼生
10連休はLFJに出演する人
水野蒼生 指揮者・クラシカルDJ

2018年にクラシカルDJとして名門レーベル、ドイツ・グラモフォンからクラシック音楽界史上初のクラシック・ミックスアルバム「MILLENNIALS-We Will C...

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海外では「ただの5月初旬」――今年は一味違う

GWという言葉に懐かしさを感じるようになって久しい。
僕が暮らすオーストリアでは5月初旬は、「ただの5月初旬」。GWのような華々しい連休はなく、平日は大学に行き土日は休みという当たり前な日常が過ぎていくだけだった。今までの僕は、そんな「ただの5月初旬」になるとSNS上に溢れる日本の友人たちの華やかで楽しそうな写真や投稿に少し嫉妬しながら、大学の授業やレッスンに勤しんでいたわけだけれど、今年の5月初旬は今までとはちょっと違う。
今年、僕は5年ぶりに日本でGWを過ごす。それも大きな夢を叶えるために。

ラ・フォル・ジュルネ ホールEキオスクの様子 © teamMiura.jpg

ラ・フォル・ジュルネ――最高のフェス!

日本にいる頃、それも子どもの頃から、GWは僕にとって特別な日々だった。
5月初旬の東京。視界に飛び込んでくる新緑がキラキラと輝き、太陽に温められた土の匂いが香ばしく初夏の到来を告げている。花粉はもう飛んでいないし、比較的天気にも恵まれている。そんな素晴らしい季節に学校は休みになり、僕らは1週間近くの自由を手に入れる。それだけでも奇跡のような日々なのに、さらにGWには「ラ・フォル・ジュルネ」がある。だからこそ僕にとってのGWは特別なのだ。

「ラ・フォル・ジュルネ」は、フランス語で「熱狂の日」という意味だけれど、その言葉はどうやらモーツァルトの喜劇「フィガロの結婚」に由来しているらしい。
有楽町にある東京国際フォーラムを中心に、丸の内全域を巻き込む世界最大級のクラシック音楽のフェス。開催期間3日間での動員数は毎年数十万人という、途轍もない規模感! 国際フォーラム内にあるすべてのホールが3日間フル稼働し、開催される有料公演は毎年100公演以上。その上海外からの大御所アーティストによるマスタークラスや無料の野外公演などさまざまなプログラムが目白押し、その上フォーラムの地上広場にはクラシックカーを改造したお洒落な屋台がズラーっと並んで「フェス飯」も完備される周到ぶり。
もともとこのフェスは1995年に南フランスのナントで生まれ、誕生から24年目になる今では、世界各国で開催されている地球規模の音楽フェスとして親しまれている。

そんな最高のフェスが日本にやってきたのは2005年、僕がまだ小学生だった頃の話。音楽好きの両親はそのフェスの上陸をすぐに嗅ぎつけ、僕を引き連れて3日間有楽町に通い詰めた。それ以降、僕にとってラ・フォル・ジュルネはGWの風物詩となった。
はじめての年のテーマは「ベートーヴェン」、翌年は「モーツァルト」、その次は「ロマン派」というように毎年テーマが用意されるから、飽きることもない。中学生になってからは自分一人でゆっくり堪能、もしくは音楽仲間の友人たちとワイワイ楽しくこのフェスを最大限楽しんだ。
ラ・フォル・ジュルネは僕に本当にたくさんのことを教えてくれた。もしこのフェスに出会っていなかったらアーティスト Aoi Mizuno はきっと生まれていなかっただろう。

このフェスが上陸した2005年から、ザルツブルクに留学する直前の2014年まで、僕はその10年間のGWをすべてをこのフェスに費やしてきた。そして2014年のラ・フォル・ジュルネの最終日、「次に来るときは必ず出演アーティストとして帰ってこよう」、僕はそう決意してザルツブルクへと飛び立った。
そして今年、僕は5年ぶりに再び日本でGWを過ごす。5年来の大きな夢を叶えるために。クラシック界最大のフェス「ラ・フォル・ジュルネ」に出演するために。

4月27日 DAY1. 10連休スタート。ウィーンから成田へ

10連休がスタートする土曜日の正午、僕はウィーンからの飛行機で成田空港に降り立つ。
今回の帰国は本当にこの10連休の期間だけなので、無駄にしている時間は一刻もない。時差ボケにならないためには初日の体調ケアが肝心。ということで敢えてこの日はあまり無理はせずにゆっくり準備に充てることにしよう。

4月28日 DAY2. アートに浸る日

僕にとってGWのルーティンになくてはならないものが、アート。この日は朝から新国立美術館で開催される「ウィーンモダン展」と、東京都美術館で開催される「クリムト展」をハシゴ。午前中に、混まないうちにね。ウィーンから帰ってきてこれらに行くのはちょっと滑稽だけれど、単純に「美術館に行く」という行為が大好きなんだ。お腹いっぱいにアートを脳に叩き込んでからは、どこかのお気に入りのカフェで一休み。それからLFJ(ラ・フォル・ジュルネ)のステージで共演するダンサーの高橋慈生と演出に関する打ち合わせをして、もうこの日はこれで充分だろう。

4月29日 DAY3. 観劇Day「良い子はみんなご褒美がもらえる」

生まれて初めて、お金を払って「演劇」を観にいきたいと思った。この日はそれを観にいく。赤坂ACTシアターで上演されている「良い子はみんなご褒美がもらえる」は、俳優とオーケストラのための舞台で、音楽制作を、先月に急逝した指揮者であり作曲家のアンドレ・プレヴィンが担っている。ということで、知るや否やチケットを取ったのが、この日の14時の回。そのあとの予定はまだ何も入れていない。大感動してしまったら、そのあと何も手につかなくなってしまいそうだから。

4月30日 DAY4. LFJリハーサル

LFJでの初舞台の3日前。この辺りはきっとそれに向けたリハーサルが入るだろう。いつも僕がザルツブルクから送るMIXに合わせダンサーのみんなは振り付けをし、その動画をもとに僕がさらにMIXをアップデートする。そんな遠隔でのリハばかりだったので、本番前の数日間で充分時間をとって、お互い息を合わせていきたい。

5月1日 DAY5. LFJディレクター、ルネ・マルタン氏と対談トークイベント

LFJ開幕2日前、この日はプレイベントとしてフェスのディレクター、ルネ・マルタン氏と対談トークイベントをさせていただけることに。このフェスの筋金入りのファンとして、そして一人の若手アーティストとしていろんな話ができそうで、今からとても楽しみにしている。それが終わったら5/3の公演、フォル・ニュイ!! に向けたゲネプロ。早くもこの日はLFJ一色の1日になりそうだ。

ルネ・マルタン×水野蒼生 スペシャルトークセッション

配信日時 5月1日(水・休)13:00~14:00(予定)
対談 ルネ・マルタン(LFJアーティスティック・ディレクター)、水野蒼生(クラシカルDJ)
進行 田中泰(クラシックソムリエ協会代表理事)

音楽祭公式Facebook、Twitterにてライブ配信(※配信のみのイベントです)

5月2日 DAY6. 祭りに備えて、心穏やかに

ラ・フォル・ジュルネ開幕前日。この日の予定は空けてある。1日前のゲネプロ後なので、安全のためのリハや打ち合わせを入れるかもしれないし、そうでなくても翌日から始まるお祭りに備えて心穏やかに過ごしたい。

5月3日 DAY7. ラ・フォル・ジュルネ本番!

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019、開幕。僕の夢が叶う日。僕らのステージは20:00から、地下のホールEで行われる。出演アーティストでもあるけれど、LFJファンとして思う存分このフェスを楽しみたい! というのも正直な気持ち。なのでお昼くらいには現場入りして、何かコンサートを観る時間も確保したい。自分のステージの終演後は、共演者のダンサーたちと楽しく打ち上げといきたい。

フォル・ニュイ!! 第1夜 「LFJ feat. Aoi Mizuno -VOYAGE MIX-」

開催 5月3日(金・祝日)20:00~21:00
開場 東京国際フォーラム 地下2階 ホールE キオスク(ロアール・アムンセン)
出演 水野蒼生(クラシカルDJ)
   渡辺理恵 / 上野可南子 / 高橋慈生 / 安楽葵(ダンサー)
URL https://www.lfj.jp/lfj_2019/event/article_04.html

史上初のクラシカルDJ、Aoi Mizunoがプロデュースする一夜限りのクラシック・クラブがフォルニュイに出現! 大胆にMIXされるカルネ・ド・ボヤージュな楽曲を五感で体感する新しいクラシックの楽しみ方を。

水野蒼生© Kenji Takahashi
安楽葵
高橋慈生
渡辺理恵
上野可南子

5月4日 DAY8. LFJ野外ステージでDJ

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019の中日。この日はファンとしてフェスを楽しみながら、丸の内、銀座エリアの散策もしたい。人混みは苦手なタイプだけれど、お祭り気分のときはむしろ人混みに自ら繰り出したくもなるよね。そしてこの日は野外ステージで夜間のDJ。20:40から30分間クラシカルDJやってます。ぜひ飲みながらゆるーく観ていってほしい。

5月5日 DAY9. LFJ野外ステージでDJ・2日目

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019の最終日。この日も18:20から30分間、地上広場でのクラシカルDJ。その前後はひたすらこのフェスを楽しみ尽くす予定だ。オーケストラから室内楽、現代音楽や合唱まである多彩なコンサート。新しい感動に出会えるチャンスは絶対に逃したくはない。

ラ・フォル・ジュルネ 地上広場 © teamMiura.jpg

5月6日 DAY10. ザルツブルクへ

13:30に成田発の飛行機で再びザルツブルクへ帰る。余裕を持って空港につき、ボーディングまでゆったりブランチとコーヒー。そこでこの夢のような10連休の思い出に一人静かに浸る……。なんて終わり方ができるほど大人な性格じゃないことは自分でも百も承知だ。きっとまた朝に大急ぎでパッキングしてドタバタと出ていき、機内にギリギリで滑り込むのだろう。それでもこのころの僕は、きっとひとつ大きな夢を果たしたあとなんだ。その思いに浸るのは機内でもたっぷりできるはずだ。

10連休はLFJに出演する人
水野蒼生
10連休はLFJに出演する人
水野蒼生 指揮者・クラシカルDJ

2018年にクラシカルDJとして名門レーベル、ドイツ・グラモフォンからクラシック音楽界史上初のクラシック・ミックスアルバム「MILLENNIALS-We Will C...

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