ダンサーたちの人生を描き歴史に名を残す大ヒット作となった『コーラスライン』
音楽の観点からミュージカルの魅力に迫る連載「音楽ファンのためのミュージカル教室」。
第28回は、『コーラスライン』制作の背景と代表的なナンバーを解説! オフ・ブロードウェイからブロードウェイに異例の“昇格”、作曲のハムリッシュがピュリッツァー賞を受賞して5冠達成……数々の歴史が生まれた必見の作品です。
1964年京都市生まれ。1987年、慶應義塾大学経済学部卒業。1990年から音楽に関する執筆活動を行う。著書に、小澤征爾の評伝である「音楽の旅人 -ある日本人指揮者の...
12時間にわたるダンサーたちのミーティングを基に作られた『コーラスライン』
『コーラスライン』は、
そして、
『コーラスライン』は、演出家で振付家であるマイケル・ベネット(1943~1987)を中心に作られたが、
気鋭の作曲家ハムリッシュは現場に入り即興で作曲することも
1974年の夏の終わりに、
脚本はジェームズ・カークウッド・ジュニアとニコラス・ダンテ、
当時、
マンハッタン生まれ。5歳からピアノを弾き始め、7歳でジュリアード音楽院プレカレッジに入学。ミュージカル『ファニー・ガール』のリハーサル・ピアニストなどのキャリアを積み、10代から作曲も始める。エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞、ゴールデングローブ賞、ピューリッツァー賞のすべてを授賞したのは、ハムリッシュのほかには『サウンド・オブ・ミュージック』で知られるリチャード・ロジャースしかいない。
オフ・ブロードウェイから“昇格”し、ブロードウェイ史上に残る大ヒット作に
1975年4月からオフ・ブロードウェイのパブリック・
『コーラスライン』は、ブロードウェイのある劇場で、
1975年7月、
舞台では、“白人”だけでなく、アフリカ系、プエルトリコ系、
『コーラスライン』は大成功を収めたが、演出・振付のマイケル・
オリジナル公演を知るバーヨーク・リーが手がける4年ぶりの来日公演
今夏、オーチャードホールで開催されている来日公演は、
Bunkamuraオーチャードホール『コーラスライン』スポット映像
さまざまな人種や体型のキャラクターで、
代表的なナンバーと聴きどころ
「手に入れたい、この仕事」(カンパニー)
競争社会であるブロードウェイに生きるダンサーたちの強い意志と
以下、
「僕にもできるさ」(マイク)
ときどき姉のダンス教室について行っていたマイクが、ある日、
「アット・ザ・バレエ」(シーラ、ビビ、マギー)
シーラの母親はバレリーナ。シーラも少女時代からバレエに没頭。
「手に入れたい、この仕事」、「僕にもできるさ」、「アット・ザ・バレエ」
「シング!」 (クリスティン、アル)
舞台経験豊富なアルと極度のあがり症のクリスティンの夫婦のコミ
「ハロー12歳、ハロー13歳、ハロー恋」 (カンパニー)
ダンサーたちが自分の思春期を思い出す、甘酸っぱくも愉快な歌。
「ナッシング」 (ディアナ)
ディアナはプエルトリコ系。演劇学校になじめず、何も感じない。
「シング!」、「ハロー12歳、ハロー13歳、ハロー恋」、「ナッシング」
「ダンス10点、ルックス3点」(ヴァル)
オーディションに落ちまくっていたヴァルは、採点表に「
「音楽と鏡」(キャシー)
キャシーは、
「ダンス10点、ルックス3点」、「音楽と鏡」
「ワン」(カンパニー)
このミュージカルのテーマ曲ともいうべきナンバー。日本では、
「愛のためにしたこと」(ディアナ、カンパニー)
ディアナ(そして全員)がダンスへの愛を歌う。
「ワン」(リプライズ)(全員)
ミュージカルのラストを飾る全員でのラインダンス。
「ワン」、「愛のためにしたこと」、「ワン」(リプライズ)
日時: 2022年8月11日(木・祝)〜28日(日)
会場: オーチャードホール
出演: グレイス・アーノルド、マギー・バーグマン、ニック・バーク、コーリー・ベッツ、ギデオン・チコス、ほか
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