トランペット自慢その3:奏法、持ち替え楽器、ミュート……音色は変幻自在!
アーティストが自分の楽器の魅力をとことん語る連載「My楽器偏愛リレー!」。各楽器につき、3つの自慢ポイントを紹介して、次の奏者にバトンを渡します。今回は、オーボエ奏者の吉井瑞穂さんよりバトンを受け取った佐藤友紀さんによるトランペット自慢です。
東京藝術大学音楽学部卒業。アカンサス音楽賞受賞。在学中の97年、シエナ・ウインド・オーケストラに入団。01年~03年、東京藝術大学管弦楽研究部非常勤講師(芸大フィルハ...
幅の広い音色で時代や場面も多種多様
オーケストラの中でクライマックスなどに、最後列から突き抜けるような大音量で吹き鳴らすこともあれば、教会で天使の声のような軽やかな音を出したり、時には悪役のようなグロテスクな音や戯けたような滑稽な音を出すこともあり、息の入れ方の違いだけでもかなり音色を変えることができます。
さらに、ピッコロトランペットやコルネット、フリューゲルホルンなどの持ち替え楽器や、さまざまなミュート各種を使用すると、トランペットは変幻自在に音色を変えることができるのです。
それによって使われるジャンルも幅広く、クラシックではルネッサンスやバロック音楽からコンテンポラリーまでどの時代にも、ジャズやロック、演歌、チンドン屋、野球応援、競馬、などなど無限にあり、昔は戦場にまでラッパが鳴り響いていました。
ここに挙げたものの多くは、強く勇ましい音を連想させるものばかりですが、実は柔らかく温かく、人の心を包み込むような音を出すのも得意な楽器なのです。
トランペットの魅力を味わう作品
久石譲(石川亮編):真紅の翼
フリューゲルホルン/佐藤友紀、ピアノ/大野真由子
ジャズなどでよく使われ、金管バンドや吹奏楽ではとても重要なポジションを担い、近現代のクラシック作品にも度々登場するフリューゲルホルン。トランペットの仲間ですが、形状の違いによって、トランペットに比べてかなり柔らかい音色をもつ楽器です。その温かい音は、映画音楽など、切ない気持ちを表現する音楽にとても合います。
次にバトンをお渡しするのは、
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly